[トップページに戻る]


留学記「大学院をミシガンで」

9月 < 2000年10月 > 11月


  • 2000−10−3(火)
     火曜は2科目ある日で、やっぱり疲れてしまう。「中級計量経済学」のクラスは午後5時からいつも7時半〜8時くらいまであるのだが、今日は7時すぎに終わった。というのは、先生が、「どうした、みんな疲れたか?もうやめようか?」と言って終わったのである! さすがに、先生1人・学生3人の小さなクラスだけある。実際、僕以外の2人も、1人は風邪ひき、もう1人は別のクラスの中間テストを明日に控えていた。今日やるはずだった部分については、先生のノートをコピーしてもらって自習、わかんなかったら来週質問する、ということになった。こんなのは初めて。
     普段は夜10時か11時まで研究室に残って勉強してるのだが、今日は9時に帰ってきた。9時からCNNで大統領選挙のテレビ討論があって、それを見たかったので。
     まあ、どっちの候補にも専門の演出家がついてて一挙手一投足にアドバイスが入ってるのだろうから、テレビに映る2人の態度がそのまま彼らの人間を現していないだろうことはわかるけど、それでも、いくつか思うことがあった。
     まず、ゴアは司会や相手の話をさえぎって話し出すことが多くて、印象が悪かった。そのへんに余裕が見えないというか、何を焦ってるんだか、と思った。あと、相手が話してる間の表情に注目してたのだが、ブッシュが話してる間のゴアは、小馬鹿にしたような笑みを浮かべてることが多くて、これにも悪印象を持った。その代わり、自分がしゃべってるときの表情と話し方については、ブッシュの方が、高慢で相手を馬鹿にしたような感じだった。
     2人の話し方と挙動から受けた印象を非常に乱暴に端的にまとめると、ブッシュは頭の悪い人、ゴアは底の浅い人、というとこか。(いいのかな、こんなこと書いて?)

  • 2000−10−5(木)
     ここ最近ずっと注目してきたユーゴスラビア情勢、ついにミロシェビッチ政権が崩壊のようだ。
     50万人以上の民衆が蜂起したというのだから、すごいことだ。群集が議会を占拠する映像に、11年前の東欧革命なんかを思い出したのだが、ちょっと腑に落ちないことがあるのだ。というのは、野党側の集計でも、コシュトニツァ候補の得票は55%程度だったはずだ。そんなに多いわけじゃない。だから、本当にミロシェビッチを支持してた人もかなりの割合でいるはずだろう。その人達はこの一連の政治変動の中でどうしてるんだろう?不満でしょうがないけど、外に出てそれを言うとリンチでも受けそうだから、悔しいけど家の中で様子を見てるって感じかな。
     この種の政変のときにはだいたい、「市民の力が独裁者を倒した」とかの紋切り型の形容がされやすいが、そういうとまるで「市民」が一つの意思を持ってるように聞こえる(ルソーの「一般意志」ってやつね)。そんなことはありえないのに。実際、得票率55%ってことは、「大多数の意志」ですらない。しかも野党側の発表だから、実はちょっと水増ししてるかもしれないし、そうしたら本当に50%に達してたのか怪しいかもしれない。
     いや、別に今回の政変を悪いと言ってるわけじゃなくて、ミロシェビッチが追われたことについては単純に嬉しい。もうちょっと平和な世界になりそうだ。

  • 2000−10−6(金)
     研究室で勉強してることのメリットの一つは、同級生や先輩後輩が同じフロアの近くの部屋にいることである。宿題について話し合ったりするのにも便利だし、眠くなったときに気分転換に雑談したりできる。
     今日も昼過ぎに眠くなって、同級生の部屋に行ってあれこれ話していた。そうしたら、知らない2人が訪ねてきた。「労働組合のことについて話したいんだけど、ちょっといいかな?」
     僕のように授業の手伝いをして給料などをもらってる大学院生をTA(ティーチング・アシスタント)といい、教官の研究を手伝うRA(リサーチ・アシスタント)などと合わせて「GA」(グラジュエート・アシスタント)という。大学院生で大学に雇われている人々で、MSU全体で1000人以上もいるだろう。そのGAたちで労働組合を作ろうという話が去年くらいから出てきているのである。
     訪ねてきた2人はその運動を進めている人々で、組合設立に向けて協調するGAを募っているのだ。話を聞いたら、お隣りのミシガン大学では25年も前から同種の組合があって、そのために給料とか健康保険とかの待遇がかなり改善されたという。彼らの計画では、来年の早い時期の設立を目指していて、ミシガン州の労働関係法の規定の基づいた正式な組合が設立されれば、大学当局は組合を認知することが州法によって義務付けられる。すると、GAの給料やいろいろな待遇について、全て大学と組合の合意によってしか決められなくなるのだそうだ。そこまで本格的な話になってるとは知らなかった。
     組合の加入は義務ではなく、組合費は給料の1%程度になりそうだとのこと。それなら、加入しなくても賃上げなどの恩恵は受けられるわけで、「ただ乗り」ができる。これは、来週から授業で扱う予定のオルソン『集合行為論』というド有名な本で研究されていることそのままであり、思わぬところで、実生活と勉強してることが重なり合った。
     とりあえず、加入することにした。これからどんなことになって行くのか、けっこう楽しみである。ミシガン大学では、何年かに1回だけど短いストライキもするらしい。日本の大学でこれは想像もつかないなぁ。

  • 2000−10−7(土)
     ジャジャーン。
     ホームページのデザインと構成を一新しました。いかがでしょう?
     忙しい忙しいと言っていながら、こんなことをする暇があるのか、と、まさにその通りなのですが、でも、ちょっとずつチビチビと息抜きがてらに作ってたのです。信じて!
     自分のホームページが2つに分かれてることがどうにも気に入らなくなってたこともあり、デザイン的にも嫌になってきてたこともあり、こんな風にしてみました。相変わらずタグは全て手打ちです。また、タイトルの画像も全部自分で、ウインドウズ付属の「ペイント」だけで加工しました。変なとこに凝り性なワタクシです。
     いつもは読んでるだけの方も、この機会にぜひご感想をお寄せ下さい!

  • 2000−10−8(日)
     日曜だというのに、午前11時から午後11時まで、12時間も研究室にこもってた。その間、昼飯はカップラーメンと野菜サラダ、夕飯はピザ。 だ、大丈夫か、俺。
     雪が降るとの予報だったのに、降らなかったみたい。昨日はアラレが降ったけど。それでも気温は低くて、最低気温は氷点下だったらしい。10月でこれなんだから、やってられん。日曜日は研究室の暖房が弱いらしくて、室内でも厚着していた。
     明日はちゃんと栄養を摂ろう。

  • 2000−10−10(火)
     「中級計量経済学」のクラスは、先生1人学生3人だけなので、けっこうリラックスした雰囲気で行われる。難しい話をしてたかと思えば、急にスポーツの話の雑談になったり。
     先生は野球のホワイトソックスのファンだそうで、先週の火曜日は、ホワイトソックス対マリナーズの第一戦の日だったので、授業中に何度も「あー、もう試合始まってるなぁ」とか「そろそろ中盤だなぁ」なんて言ってた(実際、授業も早く終わったし!)。その後、ホワイトソックスはあっけなくマリナーズに負けてしまって、今日の先生はガッカリした様子。「なんだ、あのササキというモンスターは!」と。「佐々木のフォークは並のピッチャーの速球より速いんですよ」と教えたら、凄い奴がいるもんだな、と感嘆していた。日本にいるころは別に佐々木のことが好きでもなかったけど、アメリカで日本人が活躍するとやっぱり嬉しい。計量経済学の教科書で日本人研究者の業績が引用されてると嬉しくなるし(単純すぎ?)。う〜ん、僕もアメリカの学界で活躍して日本人に夢を与えたいもんだな。
     毎週火曜の夜は、計量の授業の復習をしてちゃんと消化してから帰るようにしてるんだけど、今日の授業はむちゃくちゃ難しくて、とても復習しきれず、11:30ころになってもう嫌になって帰った。ぐひぃ。

  • 2000−10−12(木)
     来週の今日にペーパー提出&口頭発表が待ってるので、今からスケジュールを前倒しにして臨戦体制。前回みたいに徹夜をしないで済むように。ちなみに材料は、Shepsle&Bonchek (1997), Analyzing Politicsの11・12章と、Aldrich (1995), Why Parties?の1・2章。前者はもともと学部生向けの教科書なのでラクに読めるけど、後者は、パラパラ見た感じでは難しそう。このAldrichという人の書く文章は難解という評判でもあるし(実際、前に読んだ論文も難しかった)。
     午後5時から、TAのクラスの中間テストの試験監督に行った。政治学の大学院一年生必修の統計学のクラスで、僕も去年取ったものなんだけど、問題を試しにやってみたら難しかった。一年間に忘れてしまったことのあまりの多さに愕然とした。なんてこった。
     そのテストの採点をしなきゃならないかと半分覚悟してたのだけど、先生が採点してくれるそうで、ホッとした。宿題じゃなくてテストとなると学生も真剣だろうから、採点にも神経を使うだろうし。前回の宿題の採点に恐ろしく時間がかかった悪夢もあって、今は採点の仕事がまわってくるのが怖くてしょうがない。

  • 2000−10−13(金)
     中東問題には今まであまり興味がなかったんだけど、ここしばらくのイスラエル−パレスチナの衝突に急に興味が出てきて、歴史的な経緯なんかを調べたりしている。昨日は衝突が一段と激化し、今日はその関係のニュースを新聞(ニューヨークタイムズ)で熟読。日本の新聞と違ってすごく読みごたえあるなぁ。ところで、今日のニューヨークタイムズには、イスラエルを支持するという団体の大きな広告が2つも載っていた。さすがにお金があるやね。
     テレビを見ても新聞を読んでも、それにしてもアメリカのメディアはイスラエル寄りだなぁ、とつくづく思う。今さら驚くほどのことでもないけどさ。
     今日も夜11時すぎまで研究室で勉強。帰り道、さすがに金曜の夜だけあって、盛り上がって歩いてる学生のグループといくつもすれ違った。彼らと自分を対比させて虚しい気分になったけど、まあ、自分も彼らの年の頃はああやって楽しんでたしね。今の自分には勉強あるのみ。

  • 2000−10−14(土)
     2連敗中の我がMSUフットボールチーム。今日はウイスコンシン大を迎えての試合、しかし僕は勉強がたまってるのでテレビ観戦の誘惑を断ち切るために研究室に向かう。
     しかし、風向きのせいか、研究室までスタジアムの音がよく聞こえてくる。歓声はもちろん、会場のアナウンサーの声も。窓を閉めても、「誰々が何ヤードのパスをキャッチ」とか聞こえてきて、これではまるでラジオを聞いてるかのようだ。
     参ったな〜、勉強できね〜、見たくなる〜、とか思いながらそれでも文献を読んでいたのだが、そのとき、ドアをノックする音が。
     同級生が、「一階の教室でテレビ見れると思わない?」と。反射的に教科書を閉じて、2人で一階へ。テレビがあってカギがかかってない教室を探して、見つけて、入って、電源をつけて、観た。まだ0−0だった。5分ほど見てたら、あっという間にうちが10点を挙げた。ホクホクして、研究室に戻って勉強に戻った。
     しばらくして、きりのいいとこまで読んだのでまたテレビの教室に行った。10−7に追い上げられてた。あとはそのまま最後まで観た。結局、10−17で負けた。
     ダメだ、もう。これで3勝3敗じゃないか。どうなってやがるんだ。

  • 2000−10−15(日)
     ギャロップの世論調査で、イスラエルとパレスチナのどちらに共鳴するかという質問に、イスラエル41%、パレスチナ11%という結果がでていた。ええぇ〜?っと声が出るほど驚いた。アメリカ人の考えってそうだったのか。僕の目には、イスラエルやりすぎ、パレスチナかわいそう、というふうに映るんだけどなぁ。

  • 2000−10−17(火)
     あさってのペーパー提出&発表が真剣にやばくなってきた。朝5時まで研究室で文献を読んでたが、まだ読み終わってない。とりあえずこれから仮眠してまた読むことにしよう。

  • 2000−10−19(木)
     やっとペーパー提出&発表が終わった。昨日は朝6時から10時まで寝て、それからまた研究室に行ってずっと文献読み。夕方にイスを2つ並べてちょっと昼寝して、あとはまた徹夜でペーパー書き。今度こそ本当に間に合わないかと思った。そのまま朝になって、昼になって、午後1時半ころになんとか完成。授業は3時からでちょっと時間があったので、26時間ぶりに寮の自室に帰って、昼飯食ってシャワーして歯を磨いて、また学校へ。
     2日続けて徹夜したのはたぶん生涯初だと思う。カフェインの摂りすぎもあり、体調はハイなようなダルいような、なんとも言えない変な感じ。3時からの授業で口頭発表。けっこう教授の反応はよかった。内容に自信はなかったけど、実はけっこうマトモだったのかも。ふー。
     いや、本当はこんなドタバタする予定ではなく、余裕を持って進めてきてたはずなのだ。しかし、課題文献の片方が異様に難しくて(内容が難しいというより、文章が下手で読みにくい)、理解しにくく、時間がズルズルとかかってしまった。今学期はちゃんと睡眠をとりながらバリバリ勉強するのが目標の一つだったんだけど、なかなかそうもいかないものだ。
     授業のあとで寮に帰って、31時間ぶりにベッドに寝た。でも1時間くらいでまた起きて、今度はバスケットボール観戦へ。
     公式戦じゃなくてエキシビションゲームだけど、NBAのピストンズ−ジャズの試合がうちの大学のアリーナで開催されるのだ。NBAを生で観たことがない僕は、この日を心待ちにしていた。どんなに疲れてても行かずにはいくまい(前売りチケットを買ってたし)。それに、我がMSUを昨年度の全米チャンピオンに導いたマティーン・クリーブスがプロ入りしてピストンズに入団している。マティーンがストックトンとマッチアップするなんて、ワクワクしてたまらない!
     試合は、怪我のカール・マローンも出場してくれたし、なかなか楽しめた。マティーンは実力的にはまだ他の選手より見劣りがして、得点はわずか3点、ファールの連発で、本人には苦い思いの凱旋試合だったのではないだろうか。試合はピストンズの勝利で、いい気持ちで帰った。やっぱりスポーツは結果次第で後味が全然違うもの。

  • 2000−10−20(金)
     朝起きたら9時ころ。いつも目覚ましなしでも早く目が覚める僕にしては珍しい。さすがにここ数日の無理が効いてるのだろう。午後にもやっぱり眠くなって、また研究室でイスを2つ並べてちょっと昼寝した。だんだんこの寝方にも熟達してきた気がする。明日は、フットボールでミシガン大との対戦がある。去年は全勝同士での対戦になったので特に盛り上がったのだが、今年はうちのチーム状態が最悪だし、ボロ負けを覚悟している。TAのクラスの宿題を採点しなきゃならないので、明日はそれをしながら観戦することにしようか。

  • 2000−10−21(土)
     フットボールのミシガン大学との試合をテレビ観戦。先週見つけた空き教室で。TAの仕事である宿題の採点をしながら観た。どうせ負けるんだろうから、そんなに気合いを入れて見ることもない。
     大差での屈辱的敗北も覚悟してたのだが、そんなには点差が開かない。うちのチームの動きは相変わらず悪かったが、これならちょっと流れが変われば勝てるかも?とか淡い期待を持った。しかし、その期待を裏切るのが今年のスパルタンズ。敵陣2ヤードまで攻め込んでおきながら、エースRBがファンブルでターンオーバーを許したりとか。冗談じゃねえ。
     さらに気分を悪くさせるのが、採点してる宿題の出来の悪さ。僕も去年履修した一年生の必修クラスなのだが、愕然とするほどにひどい。もう、「珍解答」なんて言っていられない。面白いどころじゃなくて、「大丈夫か、この人?」というレベル。去年のクラスでは、僕も僕の同期たちももっとちゃんとやってたはずだが、同じ先生に習ってどうしてこんなに違いがでるんだ?変数の標準化あたりでつまづいてて、この先の回帰分析をどうするつもりだ?
     フットボールの方は、14−0の完敗。点差は予想より小さいけど、零封というのはやはり気分悪い。しかも相手が仇敵のミシガンだし。ぐぎ。

  • 2000−10−22(日)
     日曜だというのに研究室に行って、「中級計量経済学」の宿題をガリガリと解く。
     なんだか、答えが変な数字になってしまう。おっかしーなー、と計算の過程を見なおしたり、理論的なとこで勘違いしてるのかも、と教科書を読み直したりして、それでもわからない。1ヶ所で詰まったまま何時間も経過する。
     ちょっとしたきっかけで、わかった。電卓で出た数字を紙に写すときに、小数点の場所を一桁間違えてたのだ。「いやぁ、参った。数学力と計算力は関係ないとか言っても、計算力がないと時間がかかってしょうがないよ。ふう。」なんてブツブツ言ってみたが、ハタと気づいたことは、小数点の位置を間違って写すというのは、計算力の問題じゃなくて、単にドジなだけではないか。

  • 2000−10−24(火)
     今週は「政治制度と公共選択」のクラスが休講なので、今夜の「中級計量経済学」だけしか授業がない。一週間に一コマだけ!
     でも、予習すべきことが多すぎて間に合わなくて、授業も難しくて理解困難で、OHPの字が小さくて読みにくくて、授業の時間も長引いて、終わったときにはヘトヘトだった(普段は夜7時半ころ終わるが、今日は8時すぎまで)。教室から研究室に帰ったら、動く気力もなかった。腹も減らない。目薬をさして、しばらくじっとして休んだ。
     腹が減ってないけど、とにかく夕飯は食わなきゃと思った。だけど外に出る気がしない。自虐的な気分になるほどに消耗しきっていた僕は、不気味な含み笑いを浮かべながらカップラーメンを作って食った。
     前向き思考が僕の哲学だったんだけど、たまにはどうしても前向きになれないこともある、ということがここ2ヶ月くらいの間にわかってきた。とりあえず、大学院ってのは異常な場所だ。

  • 2000−10−25(水)
     おかげさまで4万ヒットに到達しました。いつも御愛読ありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いします。

     土曜日に書いた、宿題の採点の件。一部の問題を後回しにしてたので、今日やっと終わった。あまりに出来が悪かったので、間違いの多かった問題について解法ガイドを作って配ることにした。そのクラスの学生たちは僕の直接の後輩なわけで、なんとか頑張って欲しいし、「採点が辛すぎる」なんて逆恨みされたら嫌だから「親切な先輩」を演じることにした。いや、「演じる」ってのも変だけどさ。
     ちょうどやることが一段落したので、久しぶりに早く帰ることにして、夜9時半ころに研究室を出た。牛乳を買いにスーパーに寄ったら、ついついウイスキーも買ってしまった。寮の自室に着いて、久しぶりにビールを飲んだ。たまにリラックスしないとね。

  • 2000−10−27(金)
     最高にいい天気。Tシャツ一枚で外を歩けた。寒くなったり暖かくなったり、よくわかんない気候だ。でも、こういうときに体調を崩しやすいんだろうなぁ、と思ったが、そういえば昨日から頭が痛いのはこのせいか?
     今学期に書く研究論文のほうをちょっと進めた。単調なデータの整理をずーーっとひたすら。マイクロソフトは嫌いだけど、とりあえずエクセルは愛用している。データ整理をエクセルでやって、それをSTATAに移して分析するってのが僕のパターン。それにしても、これだけ労力をかけて作ったデータセットで、思うような結果がでてくれなかったら結構ショックだなぁ。いま考えてる仮説がうまい具合にデータに裏付けられたら、この先そこからつなげてどんどん論文のテーマが出てきそうなのである。それを期待してるだけに、ダメだったら相当に落ち込みそう。今まで長いこと苦しんできたから、そろそろ物事が好転してくれそうな予感もするんだけど、そんなに甘いものではないような気もする。さて。
     そんなこんなで、夜10時半くらいまで研究室に。金曜の夜でも普段は僕の他に誰か残ってるんだけど、今夜はフロアに僕1人きりだった。シーンと静まりかえった研究棟に1人で残る金曜の夜ってのは、相当に気分を暗くさせてくれる。しかも雨が降り出した。ガックリ。

  • 2000−10−28(土)
     昨日は暖かかったのに、今日はけっこう寒くなった。でも頭痛は治ったので、久しぶりに筋トレに行ってきた。昔は週3回もやってたものだが、最近は月2回程度しか行ってない。自分の筋肉が落ちてゆくのが自覚できて悲しいので、もっと行きたいんだけど、なかなか時間がとれない。
     昨年度の全米大学チャンピオンに輝いた我らがスパルタンズ・バスケットボールチームが、Green and White Game(紅白戦ならぬ緑白戦!)をやったので、タダでもあるし、観に行った。早めに行ったので最高の席が取れて、今年も前評判の高い選手たちの華麗なプレイを間近で堪能できた。去年のスターター3人を卒業で欠いたけれど、有望な一年生も入ったことだし、今年もかなり期待できる。爆裂王ことジェイソン・リチャードソンは、期待通りの豪快な失敗ダンクを見せてくれたし、新人のザック・ランドルフはゴツイ体に似合わずけっこう器用なプレイができるようだし、う〜ん、とにかく開幕が待ち遠しい。ビデオデッキを買おうか真剣に検討中。

  • 2000−10−29(日)
     大統領選挙は最終盤になり、それでもまだ大接戦が続いている。特にここミシガン州は代議員数が多い上に大勢が決していないので、両陣営ともに力を入れているらしい。今日は、ゴアがこの街にやってきた。
     勉強も遅れてるし、行こうか行くまいか悩んでいた。よい場所で見るためには相当に早くから行かないといけないだろうし、早く行って待ってるのは嫌だし…、と。結局、ゆっくり行ってみることにした。見れなそうだったら帰ってくればいいし。どうせ研究室から歩いて行ける距離だ。
     3時半くらいに来る予定とのことで、3時ころに行った。待ってる間に読む論文を片手に。さすがに警備は厳重で、金属探知機を通らされたし、まわりの建物の上では警官が双眼鏡で監視にあたっていた。毎日の遊説先でこんなことをやってるんだろうし、それがもう一年近くも続いているんだから、選挙運動全体にかかるカネと労力は莫大だろう。アメリカってやっぱり豊かな国だなぁ。
     さて、3時すぎから待ってて、ゴアが来たのは4時45分ころだった。僕のいた場所は、報道関係者用のやぐらの裏だったので、背伸びしたりかがんだりして、カメラマン達の脚の隙間とかからなんとか覗き見る程度だった。一応見えたけど。演説は30分くらい続いた。聞き取りやすい英語だったのでだいたい理解できたし、さすがに上手なしゃべりだった。
     面白かったのは、他の候補の支持者もこの会場の近くに来て、ゴアを批判するプラカードなどを掲げてたりしたこと。「銃が規制されたら、どうやってリベラル派の人々を撃てばいいんだ」とかいう過激な、というか狂気のメッセージを堂々と掲げてる人もいた。アメリカってすごい国だ。。。

  • 2000−10−31(火)
     昨夜は深夜1時まで研究室にこもってた。この先もっと寒くなったら帰り道が大変になるな。
     大統領選挙まであと一週間になった。ある同級生の話では、もしかして、得票率ではブッシュが上なのにゴアが当選するという事態もありうるとのこと(州ごとに選挙人を選ぶ仕組みのため)。それほどの接戦だそうだ。そういう逆転現象は、1888年だったか以来起きていないとのこと。それから、さらにひょっとして、両候補の獲得選挙人数がまったく同数になるということもあるかもしれないとか。そうなったら、下院が大統領、上院が副大統領をそれぞれ選ぶのだそうだ。そういうケースは1800年と1824年にしか起きていないという。なんとも面白いことになってきた。
     投票日の夜は何時ごろに新大統領が決まりそうか訊いてみた。その答えは、もしもフロリダ・ペンシルベニア・ミシガンの3州をどちらかが全部取ったら、そこでその候補の当選が確実になるだろうが、それは東部時間の午前1時ころにわかるだろう。そのケースにならなかったら、太平洋岸3州の結果次第になるから、朝の4時か5時になるとのこと。どうせ水曜は授業がないから、結果がわかるまで起きていようかな。ワクワク。
     アメリカ政治専攻でない僕までがこんなに興味を持ってるんだから、アメリカ人でアメリカ政治専攻の教官・院生たちの盛り上がりは半端じゃない。授業中もつい脱線して選挙の話になる。ある教授は、「たいした接戦にはならないぞ。ブッシュが35州くらいも取って勝つだろう。」との予想を披露した。ブッシュ勝利というのが僕のまわりの大勢の予測のようだ。でも一方で、最近は世論調査に正直に答えない人が増えてるから、どの調査もあまりあてにならなくなってるという話も聞いた。とすれば、意外な結果に終わることもありうる!?さて。


9月 < > 11月

留学記目次へ


[トップページに戻る]