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留学記「大学院をミシガンで」

1月 < 2001年2月 > 3月


  • 2001−2−1(木)
     今朝、政治学研究科の秘書から院生全員にメールが回って、「来年度の新入生の合格判定についての会議が今日あるんだけど、院生にオープンするから、興味ある人は見に来い」と。去年はこんなことなかったし、先輩の話では今までにもこんなことはなかったとか。で、友人知人が受験してることもあり、見に行った。
     会議には教官が9人来ていて、院生が6人くらい見にきた。志願してきてる64人の一覧表(テストの点数や専攻分野、出身大学などの情報が載っている)と、同じ表を人種・性別ごとに並べ直したもの、専攻分野(アメリカ政治・比較政治・国際関係など)ごとに並べ直したものが配られた。こんな情報まで院生に公開していいんだろうか〜、とかなんとか思いながら、教官会議に自分が同席してることから来る緊張感にカチコチしながら、教官たちのやりとりを聞いていた。
     どうやら、今日の会議は一般的な方針(専攻分野ごとのバランスを取って合格を出すかそれを考慮しないか、など)を決めるためのもので、実際の合否判定は、志願者各人の書類をまとめたファイルを教官たちが回覧して、各教官が一つ一つのファイルに「Yes/No」のどっちかを書いていって、それをチーフの教授がまとめて、という感じでいくらしい。すでに今日の段階で何人かには合格/不合格が決まってるようだった。で、複雑な問題は、financial aidを何人に出せるかということで、大学本部との兼ね合いとかがあって、けっこう難しいようだった。合格者が実際に入学するか他大学に取られてしまうかは、こっちがお金をあげるかどうかで相当に違うそうで、優秀な学生を「リクルート」するためには、奨学金をあげるとかTAを保証するとかが最も効果的なんだそうだ。そりゃそうだよね。
     他に今日話し合われたのは、合格基準をちょっと甘くして多く入学させて、その代わりに見込みのない人を一年目の終わりにバッサリと切る方向にしようか、ということ。一年目の終わりに審査するということはこれまでもやってるんだけど、ほとんど形式的になっていて、実際に切られることはめったにない。それを変えようという話しで、多くの教官が賛成していた。
     さて、どんな後輩たちが入ってくるのだろう…。

  • 2001−2−2(金)
     いつも朝食は米を炊いて納豆とかフリカケとかで食べてるのだが、どうも時間がかかり過ぎてる気がして、今日は新パターン、昨日買ってきたコーンフレークを食べてみた。満足度は全然低いけど、時間は大幅に節約できるし、炊飯器の釜を洗う面倒さもないし、けっこういいかも。今はとにかく時間が欲しい。勉強以外のことにある程度の時間がかかるとそれだけでイライラしてしまうので、不味くてしょうもない朝食でも、気分的にはそんなに悪くない。
     で、今日はいつもより早く研究室へ。そして10時半から、ミシガン大学のA教授を招いての特別セミナー。回帰分析の解釈についてのド有名な本を書いたりしてる、計量分析の大御所である。そういえば、先学期に計量を習った先生が、「Aこそがbest political methodologistだ。他の例えば○○○○とか○○○○なんてのは自分の宣伝が上手なだけで実力は大したことないんだ」と言っていた。その有名な先生が来るとあって、喜んで見に行った。どんな人だろうかとワクワクしてたんだけど、綺麗な白髪で、ネクタイをしてて、品のいい紳士って感じだった。
     話は、時系列分析で従属変数のラグを右辺に入れると他の独立変数の説明力がしばしば激減したり消えたりする現象はなぜか、ということの証明。ほえー、という感じ。話の内容自体よりも、先学期に習ったばかりのVARとかECMとかについて自分がすっかり忘れちゃってることに気づいてガッカリした一時間半だった。
     さて、2時半からTAセッション。けっこう準備して行ったのに、出席者ゼロで、ガッカリ半分・自分の時間が増えて嬉しいのが半分。

  • 2001−2−4(日)
     なんだか、身体がダルくてしょうがない。ちゃんと休息を取らなきゃなー、と思うけれど、やらなきゃいけないことが終わらないんだからどうしようもない。今学期も2科目しか取ってないんだけど、TAとRAの仕事もあるし、先学期のインコンプリートもまだ引きずってるし、たぶん大学院に入ってから一番忙しい日々を過ごしてるような気がする。履修してる2科目はどっちもすごく面白いので、じっくりと取り組みたいんだけど、なかなか時間が取れない。インコンプリートのペーパーは無理してでも冬休み中に終わらせておくべきだった。まったく。
     この週末もそのペーパーに取り組んでるんだけど、どんどん「やっつけ仕事」になってきた。書いてるうちに様々な欠陥が見えてきて、しょうもないモノになることが自分で分かり、そうなると、「良いモノにする」ことよりも「とにかく仕上げて終わらせたい」という気持ちが強くなった。4ヶ月くらいも取り組んできたのに、結局こんなモノになってしまったか。仮説を思い立ったときには、すごくいいものになりそうな気がしてたんだけど、今ではそれも笑い話だ。自分で納得のいく論文が書けるのはいつになるんだろう。
     わかりきってることではあるけど、やっぱり、道は険しい。

  • 2001−2−5(月)
     とにかく、授業のために読まねばならない指定文献はいつもとんでもない量なのだ。今夜の「比較政治制度」のクラスで今日指定されてたモノを合計してみたら、328ページあった。こんなもん、全部を精読するなんて無理に決まってるのだ。それを指定する教授だって、大学院時代にいつも完全に読んでたわけじゃないだろう。
     だいたい、精読することがいつもいいわけじゃない。流し読みで要点をつかむことは重要な技術である。授業のための文献に限らず、自分の研究のために文献を読むときでも、流し読みでだいたい理解できるならば、その分だけたくさんのものが読めるわけだし。例えば数学の教科書を斜め読みするのはナンセンスだけど、政治学でサブスタンティブな議論を読むときは、それができるし実際に有用なのである。
     それと直接関係してるわけじゃないけど、大学院4学期目ともなると、読まずに授業に行って上手く逃げ切ることがけっこうできるようになってくる。教授によっては自分でひたすら喋るので、読まずに行っても全然バレない。入学当初の自分と比べると、要領がよくなったというか、不真面目になったというか…。でも、他にやることがあるときは仕方ない。時間が限られてる以上、やることに優先順位をつけることはどうしても必要なわけで、今の自分にとっては、インコンプリートのペーパーを終わらせないことには先学期の単位がでないし、その締め切りも近づいてきてる。優先順位の一番がそれだ。
     そんなわけで、ここしばらくは授業の準備はかなりいい加減である。今夜の「比較政治制度」の授業では、4人のクラスメートが発表の当番になってたので、僕にとって、「今日は逃げられる日」という計算があった。だから部分的にちょっとしか読んでなかった。しかし、当番のうちの1人が体調が悪いとか言って途中で帰ってしまった。で、先生が、「じゃあ、彼が発表するはずだった部分にどんなことが書いてあったか、一人一言ずつ言ってもらおう」と言って、教室の右側から学生一人一人を指名し始めた!全然読んでない部分なのだ。ひょえー。
     最初に指名されたのは、優秀だけど勤勉ではないタイプの一年生。なんかちょっと話したけど、先生は、「それは彼の他の本の議論だ。この本じゃない。」
     次は3年生で、僕よりもさらに「逃げ」タイプの人。5秒くらい無言で、先生が「ストライク・ツー」を宣言。
     3人目は勤勉で真面目な一年生の女の子。自分の手元のノートを見ながら、なんか答えていた。
     次が僕。自分の番になるまでの間にその本の結論の章を開いて必死にまとめっぽいことを探していた。よくわからないけど、なんとかお茶を濁そうと思って、すごく大雑把なことを言った。先生は、「それは彼の議論だけど、実際にその問題についての経験的分析の結果はどんなだった?」と訊く。知るか。5秒くらい固まってたら、次の人に移ってった。
     結局、もう数人やったとこで、授業が終わった。とりあえず今日の教訓は、この先生はそんなに簡単じゃないということ。来週はもうちょっと気をつけよう。

  • 2001−2−7(水)
     昨日の昼前、ひたすらRA(リサーチ・アシスタント)の仕事をしてたら、なんだかひどい頭痛がしてきた。ちょっと寝たりとかしたけど治らないし、ズキズキする頭のままで論文を読んでいた。あー、英語が頭痛を増幅させる…。
     さらに、夜のバスケの試合をテレビ観戦したら、我がMSUがイリノイ大学に負けてしまって、さらに頭痛が悪化。これで、4年連続BIG10制覇がけっこうヤバくなってきた。ぐ〜。
     薬が効いてきたのか、夜にはだいたいよくなったので、今日の授業のための文献を読みまくった。で、一晩寝たらほとんど治った。それでも満足な時間は寝てないけど。
     で、今日はこれから「比較行政」の授業。Shugart & Carey (1992) Presidents and Assemblies を使うので昨日からずっと読んでるのだが、これが面白い。何で今までこの本を知らなかったんだろう?

     ところで、6万ヒット達成しました。いつも御愛読ありがとうございます!

  • 2001−2−8(木)の朝
     昨夜は8時ころに授業が終わってから、ずっと夜中の12時過ぎまでRAの仕事をしていた。週に10時間働くはずなのが、ちょっと遅れ気味になってたので、一気に取り戻そうと思って。あまりに仕事が遅れて教授を怒らせてしまったら、とんでもないことになる。
     その仕事ってのは、中学生でもできるような単調な仕事。それが、どうも教授の仮説に合わない結果がぼちぼち出始めてきてる。どうなることやら。
     一年生の後輩たちが、必修の授業で回帰分析を習ってるのだが、どうやら彼らの中では僕が計量に詳しいということになってるようで、よく宿題とかについて質問される。まあ、先学期の統計のクラスでTAをやってたし、先学期の最初に数学を一回教えたりしたから、そう思われてるのも無理もないか。まあ、頼られるのは気持ちいいものだし、時間はちょっと食われるけど、英語でものを説明するのはいい練習になるし、自分でも理解を深める機会にもなる。ところが、自分でもわからない、というか、一年間で忘れてしまったことが多くて困ったりもするのだ。実際、コンピューターを使ってちょちょいと分析をすることは簡単なんだけど、理論的なことってけっこう忘れてしまってて、愕然とする。コンピューター室で、後輩にSTATA(統計ソフト)の使い方について訊かれて、得意になって教えて、しかし、出力された画面を見て、「この数字はどういう意味?」とか言われて、グ・グ・グ…、となったり。いやはや。
     夏に総復習をしよう。

  • 2001−2−9(金)の早朝
     昨夜はペーパー書きがけっこうはかどったのでいい気分。しかし、今日のTAセッションの準備をまだ始めてないので、これからやらなきゃ。先週は出席ゼロだったけど、今日は、来週の月曜にテストがあるからけっこう来るかも。
     1月22日に行った歯医者、治療費は請求書を送ると言われてたのにずっとこないから、もう忘れられちゃったかな、ラッキー、とか思ってたんだけど、昨日になって届いた。保険が効かないから莫大な請求が来るのではと心配してたんだけど、$70だった。まあそんなもんか。
     何だか知らんが、2chにリンクが貼られててビックリ。しかし、ここへの直リンク(コメント無し)の書き込み以降何も書き込みがなく、今のところそのスレは沈んで行ってるようで、ちょっと安心、っていうか、ちょっと残念?

  • 2001−2−9(金)の夜
     TAセッションには、雨の中、過去最高の25人くらいも来た。緊張しながら、過去2週間の授業の復習をした。しかし、すっごく退屈そうに、「こんな下手な英語聞いてられないなー。来なきゃよかったなー」って顔して、ほおづえをついて冷たい視線を送ってくる学生が何人もいて、すごいプレッシャー。途中で出て行った人も5人くらい。さらに、教室の後ろから出て行けばいいものを、わざわざ僕の50cm前を横切って行ったりするクソガキもいた。でも、一人だけ30代くらいの大人の学生がいて、彼は僕の言うことにいちいち頷きながら真剣にノートを取っていた。こういう人がいるとすごく勇気づけられる。
     ところで全然関係ないけど、読売新聞のサイトがインターネットラジオで流してる石原慎太郎の記者会見がすごく面白い。政治家の記者会見の常識をはるかに超えた、ストレートな発言の数々。口調も普通の話し言葉で、時には「これはヤバイんじゃない?」というような荒っぽい発言も飛び出す。これはもはやエンターテイメントだ。まったく、こういう政治家が増えて欲しいもの。

  • 2001−2−11(日)のお昼
     昨日は、インコンプリートのペーパーをとにかく一通り終わらせようと、ガンガン取り組んだ。熱中してたら夕飯を食うのも忘れてて、夜10時ころに、ほとんどヤケクソでカップラーメンを食べた。土曜の深夜、研究棟のコンピューター室には僕しかいない。統計ソフトを繰り返し走らせ、グラフを作り、表を作り、本文を書き、夜は更ける。
     そして、朝4:30ころ、とりあえず一通り完成。細かいとこの修正とかは残ってるけど、一応表紙から付録まで揃った。表紙+本文15ページ+文献リスト2ページ+表2枚+グラフ5枚の、合計25枚。ホチキスの針がなかなか通らなかったのが、ちょっと嬉しかったりして。
     で、今日はなんだかノドが痛い。ややや。

  • 2001−2−13(火)の朝
     さて、9月ころから取り組んできたペーパーがついに終わって、一段落…、と行きたいものだけど、RAの仕事が遅れまくってるうえに、どうもカゼをひいてしまったらしい。ノドが痛くて、鼻水がでて、クシャミもちょっと。
     あと、今学期のペーパーのことも急いで考え始めないと。一個のペーパーを2つのクラスに使いまわす予定なんだけど、月曜のクラスでは26日に自分のテーマについて発表しないといけない。
     あと、税金の書類仕事もしなきゃ。あと、床屋も行こう。あと、いろいろ。

  • 2001−2−14(水)の午後
     本格的に風邪ひいた。苦しい。
     午前中のTAのクラスにはとりあえず行って、寮に帰ってきた。寮の売店で、強そうな風邪薬を買った。アメリカの薬は日本人には強すぎるとか聞いたことがあるけど、知ったことか。強ければ強いほどいいんだ、畜生。
     どうにも身体がダルいし、文献は読んでないし、今夜の授業は休もうと思った。行って行けないことはないけど、文献を読まずに出席しても得るものは少ないだろうし、それよりは早く治したほうがいい。それと、今夜のテーマにはあまり興味がないこともあって(どうせテストなんかないので、こういうとこが気楽である。例えば統計のクラスとかだと、欠席した分は自分で追いつかなきゃいけないが、サブスタンティブな内容をやってるときは、一回分を休んだからってその次がわからなくなるわけじゃない)。
     学生4人だけのセミナーを無断欠席するわけにはいかないし、教授にメールを書いた。ちょっと寝転んで休んでたら返事が来て、「That would be OK. 今夜のクラスは中止することにした。その理由は、君が来れないのが半分と、自分も用事があって1時間早く終わらねばならないはずだったことが半分。今日の分は、後日補講するか、来週に2回分やるかしよう。」とのこと。チッ。なんだんがや。結局サボれにゃんでねがや。(実家のあたりの方言です。意味は推測してください。)

  • 2001−2−15(木)の午後
     ちょっとは回復。でも今日は研究室に行かずに静養しよう。土曜も日曜も毎日研究室に通ってるので、たまに行かない日があると気分転換によろしいかも。
     一つ問題は、鼻をかみすぎて鼻がヒリヒリしてきたんだけど、愛用のメンソレータムは研究室の方に置いてるのだった。でもそれだけを取りに寒い中を歩いて行くのもナンだし、やっぱり行かない。なんでメンソレータムを愛用してるかというと、鼻の穴の中が乾いたときにピトピトと塗るんでやんす。
     RAの仕事は寮でも出来るので、それをやっていよう。これも、寮の自室からLANでインターネットに接続できてるおかげである。あんな仕事をダイヤルアップでやってたら、何年かかるかわからんわい。

  • 2001−2−15(木)の午後(その2)
     たった今、9月にサンフランシスコで開かれるアメリカ政治学会の年次大会に申し込んでた僕の発表プロポーザルが落選に決まったとのメールが届いた。猛烈にガックリ。踏んだり蹴ったりの今日この頃。

  • 2001−2−16(金)の夜
     学会に落選した件を先輩に話してて、「あ〜あ、道は長いですよ」と言ったら、「でも、短いよ」と言われた。そうなのだ。学者になるための道は(距離的に)長く、(時間的に)短いのだ。長い道を短時間で踏破するためにはどうすればいいか、それはもちろん、スピードを上げるしかない。それしかない。
     TAセッション、今日は出席者一人だけ。マンツーマンで授業の復習をした。その準備をしてるときに、「こんな簡単なことを話したら、いくら復習会といってもまずいかな」なんて思ってたような基本事項も彼女にはわかってなくて、驚き。そういうもんなんだなぁ。自分の基準を他人に安易に当てはめちゃいけないってこと。こっちには当たり前の話でも、例えば講義中に居眠りしてた人には初耳なわけだしね。で、実際、講義中に寝たり喋ったりボケーッとしてたりする人って多いわけだし。自分を基準に考えちゃいかん。相手のレベルをまず把握しないことには、「教える」という作業は始まらないんだ。

  • 2001−2−19(月)の午後
     また新たな一週間の始まり。むちゃくちゃ忙しくて、心も身体もボロクソって感じだけど、あと二週間を乗り切れば、一週間の春休み。そこでなんとか体勢を立て直そう。
     今朝、RAをしてる教授に会いに行って、進行状況を報告。教授の仮説に合わない結果がけっこうでていて、実はこのプロジェクトの中止を密かに期待してたんだけど(だって、単調で中学生にもできるような仕事、もう嫌になった)、教授はちょっと落胆したものの、続行せよとの指令。あ〜あ。
     今日はこのあと夜7時から「比較政治制度」のクラスで、Peter Mair (1997), Party System Change.を扱う。授業のためだけでなく、自分の研究のためにも必読の文献である。しかし、あと5時間で190ページを読むのは、逆立ちしたって不可能だ。いつものようにパラパラ読み決定。

  • 2001−2−20(火)の朝
     昨日の、Peter Mair (1997), Party System Change.は、猛烈な斜め読み+面白そうな章はちょっとゆっくり読み、でだいたい何が書いてあるかは把握して授業に出た。どうも、各所に発表した論文を集めてちょっと書き直した感じの本なので、同じことが何度も何度も出てきて、ちょっとダラダラした感じの本だった。
     その「比較政治制度」のクラスは、大学院のセミナーとしては異常に人数が多い(20人くらい)のだが、一ついいことは、いろんな国からの留学生がいるので(韓国4人、ドイツ2人、日本・カナダ・ブラジル・ジャマイカが1人ずつ。更にアイスランド人のポスドクが聴講。)、比較の対象としての各国の事情をその国の人の口から聞けること。昨夜は、Mairの言う「名望家政党・大衆政党・包括政党・カルテル政党」の類型の話をしてて、先生が、「ビル、カナダの政党はどれだ?」「ウォンジェ、韓国はどうだ?」などと留学生に振ってきた。実際、各国の政党組織とか選挙運動のやり方とか、そういう事情ってなかなか知らないものだから、聞いてて面白い。で、僕の番になったら何と言おうか急いで考えて、自民党はカルテル政党の性質も持ってるけど、他は包括政党・大衆政党、かな、と言おうと思ってた。しかし、僕の番になる前に変に議論が盛り上がって、僕の番は来なかった。ま、いいか。

  • 2001−2−21(水)の午後
     昨日は、二ヶ月ぶりに散髪に行って来た。いつものように、安くて速くて荒っぽいところに行ったのだが、いつもより更にひどくて、服の中に毛が入りまくるし、頭のてっぺんのあたりの毛が全然切れてなくて他の部分の2倍くらいの長さになってるし(後で気づいた)。う〜ん、もうちょっとマシなところに変えようかな。
     今夜の「比較行政」のクラスは、先週キャンセルになったために、2回分の内容を扱う。そのため、恐ろしいほどの課題文献の量。もちろん、先週の分を先週ちゃんと読んでた人は今日の分だけ読めばいいわけだけど、先週読んでなかった僕は、2回分を読まねばならない。いや、「読む」わけじゃなくて「読むはずになってる」ということだけど(笑)。

  • 2001−2−22(木)の夜
     数日前に続行が決まったRA(リサーチ・アシスタント)の仕事は、今学期では終わらないほどの大仕事になりそうで、教授は、「この夏休みや秋学期にもRAをあげようか」とちょっと言ってくれた。その仕事自体は大嫌いなのだが、夏の間に給料が貰えるのは嬉しい。それに、夏休みにRAをやると、夏の間に何単位かが授業料免除で履修できる。うちの大学では夏に大学院生が取るクラスは開講されないのだけど、去年の夏にも行ったICPSRのサマープログラムに、今度は本当に無料で行けるのである。そう、いわゆる噂のベイジアンのクラスを取ることができる。
     でも、本当はこの夏休みは一人でじっくり文献を読みまくって過ごす予定だったんだけど、どうしよう。計量はもうこのくらいにしようかと思ってたしね。実際、計量は今までに習った分でコンプ(総合試験)は通れそうだし。メソドロジストになるつもりもない僕が、ベイジアンまでやる必要はあるんだろうか。あ、別にベイジアンじゃなくて、ゲーム理論とかを取ったっていいのか。う〜ん。
     まあ、もうちょっと考えてみよう。

  • 2001−2−24(土)の午後
     昨日のTAセッションには、過去最高をまたも更新する約30人の出席。先週は1人しか来なかったのに今回この人数になったのは、月曜に第3回テストがあるため。わかりやすいものだ。この僕が英語でアメリカ人に教えるという暴挙も、回を重ねるにつれてだんだん慣れてきた。去年初めてやったころは、話すことをほとんど紙に書いて準備してたものだけど、今はそんなことしなくても、その場で英語がわりと口から出てくる。もちろんつっかえることも多いけど。
     もう一つ英語について。昨日の夕方、GSA(Graduate Student Association)のミーティングがあった。政治学の院生が集まる会で、年に2回くらいある。学会参加のときの旅費支給の問題とか、コンピューター室の使い方のこととか、大学全体の院生会議が下らないからもう代表を送らないことにしようかとか、さまざまな問題。で、僕が最初にこれに出席した1年半前のときは、話の内容の5%くらいしか理解できなかったんだけど、昨日はだいたい3分の2くらいはわかった。ちょっとづつは自分の英語も上達してるんだなと思った。
     さて、5年生の先輩と共同研究をしようという話を前からしてたんだけど、その研究を、いま僕が履修してる「比較政治制度」のクラスのタームペーパーとして使ってもいいだろうか、という話になった。コースワークをしてる今の僕にとって、授業の課題として使う以外の研究をする余裕はとてもないので、共同研究とかをするならば、夏休みとかにやるしかないか、と思ってたんだけど、もしも授業のために使っていいのなら、すぐに取りかかれるわけだ。で、昨日、そのクラス担当のJ準教授に話しに行った。答えは、「全然OK」とのこと。「このクラスの目的は出版できるような論文を書くことだから、よりよい研究になりそうなことは何でもやれ」だそうだ。さらに、先輩と2人で考えた研究テーマを話したら、それにも好意的なコメントをくれた。この先生はダメなときはハッキリとダメと言う人らしいので、言葉にも重みがある。
     なんといっても、優秀な先輩と共同作業で研究をして行く過程で得るものは多いだろうし、1人でやるよりもいいものができるだろう。そしてそれを出版につなげたら、自分の未来も大きく開けるだろう。素晴らしいチャンスを得た。これは頑張るしかない。

  • 2001−2−25(日)の夜
     さて、先輩との共同研究の話、手法はduration analysisを使うことになりそうで、去年の夏にICPSRで習ったときのハンドアウトやノートを引っ張り出して見返したが、全然忘れちゃってた。カッカッカ。
     実際、金曜に先生に話しに行ったとき、先生が「その研究だったら、○○を使うべきだな。△△は〜〜だし、☆☆は〜〜だから、やはり○○が〜〜」とか詳しいコメントをくれたんだけど、その中に出てきたいろんな統計モデルの名前、「そういえば聞いたことある」程度だった。まあ、半年も経てばそんなもんか。
     でも、確か先生はワイブルを使えと言ったと思うんだけど、去年のノートをひっくり返してみた感じでは、コックスの方がいいんじゃないかとか思える。でも、もうちょっと調べてみないと。それにしても、データ集めにも時間かかるというのに、統計手法の復習もして、どんなに時間がかかることやら。

  • 2001−2−27(火)の昼前
     昨夜の「比較政治制度」のクラスは、タームペーパーの研究計画について全員が5分間の発表。で、そのあとで、4月に4週連続でペーパーの最終発表をするときの日程決めをやった。みんなが口々に「16日がいい」「9日にやりたい」とか希望を言い始めたら、先生が「待て待て、早い者勝ちに決めるんじゃない。こうやって決めるんだ」と、紙を配り始めた。その紙には、ある国のある地方の選挙結果(得票数)が載ってた。みんなポカンとしてたら、先生が口を開いた。「MMPで、議席数はSMD9+PR4。PRはドント式。超過議席分はPRの最下位から順に脱落。その方式で各党の獲得議席数を計算しろ」と。この課題を速く完成させた順に最終発表の日程を選べるのだという!
     これは面白い。僕はチャッチャッと計算を始めた。ドント式は日本で使ってる方式だからよく知ってるし、全然問題ない。クラスで一番に完成した。僕が出来たときにも、回りの連中は「MMPってなんだっけ?」「ドント式ってどうするんだっけ?」「議席の数は結局何なんだ?」とかそのレベルで悩んでいる。終わったらもう帰ってもいいと先生に言われたので、教室を出た。残った連中はいつまでやってただろうか?

  • 2001−2−27(火)の夜
     明日の夜のクラスが終われば、木曜はもともと休みだし、金曜のTAセッションは今週は休みなので、水曜の夜からもう春休みである。へっへっへ。
     でも、明日の5時までに、「比較政治制度」の研究計画書3ページを提出しなければならないのだが、まだほとんど書き始めてない。それに、明日の「比較行政」のクラスの指定文献もまだまだほとんど読んでないので、今夜は必死で読まねばならない。明日のテーマは、大統領制・議院内閣制と官僚組織の自律性の問題。これは面白いトピックであるし、このクラス全体の大きなテーマでもある。それに、僕自身がこの先、3月28日に Ramseyer & Rosenbluth (1993) Japan's Political Marketplace を材料に発表することになってるので、今からこういうテーマの文献はちゃんと読んでおかねばならない。
     アメリカに来て大学院に入ったころは、日本政治の研究をするつもりは無かったんだけど、最近、守備範囲を広げるために日本政治で論文を一本書こうと考えている。「比較行政」担当のH教授も、僕に日本の政官関係について書けと言ってくるし。


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