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留学記「大学院をミシガンで」

6月 < 2001年7月 > 8月


  • 2001−7−3(火)の夜
     ここ2、3日はかなり涼しい。それなのに教室は強力冷房のために相変わらずキンキンに冷え切ってて、エネルギーの無駄も甚だしい。
     今週は、午前のゲーム理論と午後の回帰分析に加えて、「ブートストラップ」(という統計手法)についての特別レクチャーがあるので、やはり忙しい。しかも、明日は独立記念日で祝日だというのに、その特別レクチャーは明日もある。ぎゃー。
     ゲーム理論のクラスは、5回目の授業にしてやっとナッシュ均衡が出てきた。このへんまでは何とか知ってた範囲だけど、この先はちょっと未知の領域になりそう。明日の休日の間に、ちゃんと予習をして先取りしておこう。

  • 2001−7−4(水)の夜
     ここミシガン大学では現在、僕が参加しているICPSRのトレーニングプログラムの他に、ISRというとこのプログラムも行われていて、どちらもけっこう世界中から大学院生たちが集まってくる有名なプログラムである。
     僕がいま住んでいるゲスト宿泊施設には、これらのプログラムに参加している人がたくさん滞在している。さっき、中庭で南アジア系の2人が写真を撮り合ってたので、撮ってあげた。2人はネパールから来ているのだという。「俺、6年前にネパールに行ったことあるよ!」と言ったら、大喜びしていた。ちょっと立ち話したのだが、彼らは僕に名前を訊くとき、「What is your good name?」と言った。そう、南アジアあたりでは、人に名前を尋ねるときは、「あなたの良いお名前は」という言い方をするのだ(たぶん現地語でそういう表現をするんだろう)。それも凄く懐かしくて、こっちもとても嬉しかった。あー、インドにまた行きたい!

  • 2001−7−8(日)の夕方
     速いもので、4週間のICPSRも半分が終わった。去年は8週間滞在して、それは非常に長すぎた気がしたが(最後は燃え尽きたようになった)、4週間は逆にちょっと短いような気がする。
     ゲーム理論のクラスは、次々に宿題が出てくる。今は3回目のが出てて、火曜日〆切り。前2回に比べて歯応えUP!って感じで、けっこう難しい。今夜中に終わらせて、もしわかんない問題があったら明日誰かに訊けるようにしておこう。
     でも、難しいんだけど、思考力・発想力が試されてるような気がして、実はけっこうやってて楽しい。ふと思ったのだが、GREのAnalyticalセクションが好きな人は(僕は大好きだった!)、ゲーム理論に向いてるのでは?

  • 2001−7−10(火)の夜
     どうでもいい程度の出来事を一つ。

     ゲーム理論の授業は、午前9時から11時までの2時間で、途中で短い休憩をとる。今日の授業中、(休憩はまだかな〜)と時計を見たら、もう10時半になっていて、(なんだ、休憩をとるのを忘れてるのか、先生。でも今日はなんだか時間の経つのが速いな)とか思った。
     ちなみに、僕は腕時計は煩わしいから嫌いで、懐中時計をズボンのポケットに入れておく習慣。
     もうしばらくしてまた時計を見たらまだ10時半で、やっと、時計が止まってたことに気付いた。しかも昨夜10時半のままだったのだ。気付けよ、早く。

     で、授業後の空き時間に、近くにあった時計屋に行って、見てもらった。中を開けて調べた時計屋のオヤジは、「こんなアホな時計は見たことがない。電池を3つも使ってるから、交換に21ドルもかかるぞ」と言った。
     その値段は、時計の原価に匹敵する。
     原価と同じくらいの値段で電池交換するのもバカらしいと思って、「じゃあ、また安いのを買いなおそうかな。似たようなカタチの時計ある?」と訊いた。
     オヤジは店の隅のほうのケースを開けて、綺麗な懐中時計を一つ取りだし、「これが一番安いな。これはワン・フィフティーだ。

     「ワン・フィフティー」とは、1ドル50セントか、150ドルかどっちかだ。

     一瞬の空白の後、150ドルだと気付いた僕は、「あ、うん。リッチになったらまた来るよ。ハッハッハ」とか言って、半歩下がった。
     オヤジは、「俺は、クオリティー・ウオッチを売るんだ」と言ってニッコリした。皮肉や侮蔑じゃない、いい笑顔だった。

     「クオリティー・ウオッチ」という言葉がどうも頭に残った僕は、(将来はあんな店で時計を買いたいもんだな)とか思いながら学校に戻った。

     で、午後の授業の間とかに考えて、やっぱり電池交換をしようと思った。21ドルは、時計の原価からすると高いけど、かといって21ドルで気に入ったデザインの時計がまたすぐ見つかるとは限らないし、時計がないと1日でもけっこう不便だったりする。サッサと電池交換して今の時計を使い続けたほうがいいな。

     授業が終わって、さっきの店に行ってみたら、もう閉店していた。
     自転車で街をうろついて時計屋を探したが、なかなか見つからない。そのうち、ショッピングセンターみたいなとこの中で電話帳を見て、一軒の宝石・時計店の住所を暗記して、向かった。たしか「208 S.Main St.」だった。
     着いたその店は、高級な店で、店頭のショーケースには宝石とかロレックスの時計とかがギラギラと飾られていた。
     こんな安物の時計を持って行っていいものだろうか、ためらった。それ以前に、Tシャツ・短パン姿で入っていい店なんだろうか。
     でも、せっかく来たんだし、入った。
     おそるおそる、「電池の交換してる?」と尋ねた。「安物なんだけどさ…」とポケットから時計を取り出して差し出した。
     店の人は全然普通の態度で僕の時計を受け取り、修理カウンターで中を開けて、幾らとかも言わないうちに、テキパキと交換を済ませて、時刻を合わせてくれた。

     「時計の電池とライトの電池があって、ライトのほうは切れてなかったから、時計の電池だけ換えておいたよ。6ドル36セントだ。

     なんと、ラッキーではないか。一軒目の店がもう閉店してたからここに来たんだけど、それで15ドルも節約できた。
     高級店っていう気取りもなく、すごく丁寧な態度で応対してくれて、さすがだと思った。

     っていうか、その前に、

     一軒目のオヤジ、「クオリティー・ウオッチ」とか言うくせに、すげえいい加減なんじゃない??

  • 2001−7−14(土)の朝
     第3週が終了。昨夜はクラスメートとその友達とかと、エチオピア料理を食べに行った。初めて食べたのだが、これが、凄く旨い!豆とか野菜とかが辛めに味付けされたものや、骨付きの鶏肉・羊肉などが大皿に出てきて、それを薄いパン(というかもっと柔らかい幕のようなもの)で巻いて食べるようなものだった。スプーンもフォークもなく、手しか使わない。あと、なぜかジャマイカのビールがあったので飲んだ(エチオピアのビールがもしあったら飲んだんだけど…)。なかなか。
     授業は3/4が終了したわけだが、どんどん難しくなってきてる。ゲーム理論は昨日が第4回宿題の〆切で、さっそく第5回宿題が配られた。それは〆切が火曜日。
     回帰分析のほうのクラスは復習のつもりの聴講なので、ゲームの宿題をやりながら、聴きたい話題になったら聴くという感じで出席してる。でも、そうしてると、だんだんと集中できなくなるようで、ちゃんと聴こうと思っても頭に入らないようになってしまった。う〜ん。
     あと一週間、最大限に吸収するように頑張ろう。

  • 2001−7−17(火)の夜
     ゲーム理論の授業はどんどん難しくなっていく。でも、せっかく勉強しに来てるんだから、ミッチリとやりたいものだ。(こんなふうに考えられるようになったのも、2回目のICPSRだからかな。去年はもっとせっぱ詰まった心境だったと思う。)なにはともあれ、あと3日。
     昨日は第5回宿題の〆切で、今日は第4回宿題が採点されて返ってきた。これまでの3回はほぼ満点を取ってたのだが、今回はサブゲーム完全均衡についてイマイチ理解不足のところがあって、そのせいで表記の仕方を間違ったために、けっこう減点されてきた。でも、そのおかげで理解が深まったぞ。
     で、今日は最後の第6回宿題が出題された。クラスメート達はもうみんなウンザリしてて、聴講だけに来てる連中は、「もうやらない」と言ってたりする。でも僕は単位を取らなきゃならないので、これもちゃんとやらねば。金曜日まで。あと、単位取得を希望する人は、この6回の宿題に加えて、短いペーパーも提出しなきゃならなくて(月曜まで)、余計に負担が重い。ぐっはっは(←もう笑うしかない)。
     そんなこんなで、どうも疲れ気味だ。今日はノンパラメトリック回帰についての特別レクチャーがあって、すごく興味シンシンに聴いてたのに、どうしても眠くなって、ちょっと居眠りこいてしまった。そのせいで途中を聞き逃したので、いまいち理解できなかった。図書館でそれについての本を借りてきたので、今夜読もう。
     でも、睡眠もちゃんと取らなきゃ。

  • 2001−7−19(木)の深夜
     さあ、あと1日限り。
     今夜は11時近くまで学校に残って、ゲーム理論の最後の宿題に取り組んでいた。最後の一問にすごく時間がかかってしまって、そんな時間になった。
     僕が取っているゲーム理論のクラスは明日の最終日が最後の宿題の〆切になってるのだが、他の多くのクラスでは、もう課題は全て終わったりしてるようで、そういうクラスの連中は完全に遊びモード。今夜は飲み会やらダンスパーティーやらが企画されてて、そのせいで、残って勉強してる人数はいつもよりずっと少なかった。
     途中まで一緒に宿題をやってたクラスメートの数人も、途中で、「そろそろやめてダンスパーティーに行こうか」と言って去ってしまった。彼らは単位がかかってない聴講生なので、宿題は出したくなかったら出さなくてもいい。僕は単位取得をしなきゃならないので、ダンスも糞もない。ひらすらゲーム理論と戯れる夜。
     明日の夜は、先生の企画で、「ゲーム理論生き残り記念飲み会」がある。そこでは存分に楽しもう。

  • 2001−7−22(日)の昼前
     4週間のミシガン大学滞在を終え、ミシガン州立大学に帰ってきた。こっちも暑い。
     でも、最後の課題が明日〆切で、メールで先生に送るつもりなんだけど、まだ書き始めてもいない。っていうか、何を書くか考えてもいない。今日やらなきゃ。
     夏休みは残り一ヶ月ちょっとなんだけど、やらなきゃいけないことは山積である。かなり、相当、むちゃくちゃ多い。でも、ちょっと旅行の計画なんかもあったりして、盛り沢山の夏になりそう。健康に気をつけて、激しく生きるぞ。

  • 2001−7−24(火)の夜
     たしか一年ぶりくらいに、パソコンのOSを再インストールした。たまにこれをやると、宿便がとれたようなスッキリした感じになる。ちょっとシステムが不安定になってたこともあるし。
     この機会に、ついにネットスケープからIEに乗り換えることにした。けっこう頑固にネットスケープにこだわってきたんだけど、そろそろ限界に感じて(いろんな理由アリ)、魂を売るくらいの心境で、決断。
     まあ、慣れてしまえば気にならなくなるだろう。
     今日はその仕事で半日潰れた。部屋や研究室の片付けもしなきゃならんし、なかなか平常通りの生活に戻れない。暑いし…。

  • 2001−7−26(木)の午後
     秋学期分の請求書が大学から届いた。寮費が2156ドルと、その他諸経費(大学新聞とか大学ラジオ局とかの強制徴収料金)が19ドル。いつものように、授業料とMATRICULATION料はタダ(TAの特権)。もしもこの2つをマトモに払ったら、1791ドルもかかる。(でも、寮費より安いんだなぁ…)
     それはいいとして、見慣れない「INT'L STUDENT REGISTRATION FEE」というものが25ドル請求されている。詳しい説明の紙を見たら、留学生は全員毎学期25ドルを払わねばならないのだそうだ。今までこんなものを払った記憶がないのだが、今年から新しくなったんだろうか??

     明日から月曜までニューヨークに行って来ます。次回更新はたぶん火曜日になります。

  • 2001−7−31(火)の午後
     先輩を訪ねて、約3年半ぶりのニューヨークへ行ってきた。
     ニューアーク空港からバスでマンハッタンへ。地下鉄に乗り換えたら、近くの乗客が話すスペイン語がさっそく耳に入ってきて、あー、ニューヨークだな、と思った。(ミシガンにはヒスパニック系は多くないので)
     3年半前の冬休みに先輩のアパートを借りて一ヶ月ほど住んでたこともあり、ニューヨークは懐かしい街だ。アメリカの多くの街が「クルマ社会」であるのに対し、ニューヨークでは地下鉄やバスで移動する人が多いので、通りは通行人で溢れている。また、さまざまな民族のコミュニティーがあり、街角の新聞屋ではいろんな言語の新聞を売ってたりする。最もアメリカらしくない街、というのもけっこう当たってるように思う。
     ニューヨークは、雰囲気がいい。ボストンのような洗練・上品すぎる感じもなく、ワシントンDCのようにだだっ広くもなく、もっと、人々の生活の匂いが濃厚に漂ってる感じがする。実際、ミッドタウンあたりでもそのへんのマンションに住んでる人は多いわけで、例えば東京のように居住地域と繁華街が分かれてしまってる街よりも、もっと人間臭くて、そういう街の好きな僕にはたまらないのである。

     ところで、カウンタが今「99979」です。もうすぐ10万ヒット〜〜!


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