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留学記「大学院をミシガンで」

6月 < 2003年7月 > 8月


  • 2003−7−2(水)の夜
     「8時起床」の規則正しい生活を続ける計画、2日目の今日、早くも破ってしまった。理由・二日酔い(笑)。昨夜は飲みに出たので…。

     秋学期に教える「アジアの政治」のクラスについて、僕の指導教授である先生が今日いろいろアドバイスをくれた。どうやったら時間をあまり取られ過ぎずに済むか、彼が「中南米の政治」を教えるときのやり方を例にしていろいろ教えてくれた。重要なポイントは、自分が既に知っている分野を授業の焦点にもするということ。例えば僕の場合は選挙制度などの制度的分野が専門だから、「アジアの政治」でもアジア諸国の政治制度に重点を置く。当たり前のようだけど、言われてみればその通りだ。あと、中間テストの翌週はどうせ学生は勉強する気にならないから、ビデオを見せるとか。
     先生はセントルイスの近くの出身で、セントルイスでのことを雑談した。僕がビール工場見学に行ったことを話したら、「俺も高校時代、よく授業をサボって行ったもんだよ」とか言う。「え、でも高校生ならビール試飲はできないでしょ?」と訊いたら、「俺も友達もみんな偽造の身分証明書を持ってたから」とか!ツワモノだ、この人…。

  • 2003−7−5(土)の朝
     この夏休みは授業を教えてないので、毎日毎日ただ自分の研究ができる。しかも、朝9時ころから研究室に行ってると、一日が長い!夕方くらいになると疲れて頭が回らなくなってくるけど、そうしたら雑誌を読んだり、来学期の授業のシラバスを作ったりとかする。それに、2つの研究をほぼ同時並行で進めているので、その2つの間を行ったり来たりすることで気分転換ができてるかも。
     けっこう生産性の高い日々で、いい感じだ。ここ数日は暑いけど、研究室は冷房が入ってるので(日中のみ)快適。今年の夏は日本に帰れなくて残念だったけど、その分だけ生産的な夏にしなければ!

  • 2003−7−6(日)の夜
     今日も朝9時から研究室。でも日曜日で冷房が効いてないから暑かった!!いま、博士論文の構想を練るのと並行して、先輩との共著論文(前にジャーナルに投稿して却下されたやつ)の改訂作業も行っている。今日はその共著論文のほうの仕事をずーーーっとやってた。昼はSUBWAYのサンドイッチ、夕飯はいつもの安中華。
     夜8時過ぎ頃?雷の音が聞こえてきて、窓の外を見たら嫌な天気になってて、また雷雨になりそうな感じ。最近は天気が変わりやすい。こんなときに限って、クルマじゃなくて自転車で研究室に来てたので、急いで荷物をまとめて寮に帰った。寮の建物に入って3分後くらいに強風が吹き始め、その5分後くらいにはひどい雷雨になった。セーフ。
     そんなわけで、久しぶりに寮のスタディ・ラウンジにパソコンを持ち込んで、論文の仕事。区切りのいいところまでできたので、今夜はあと、読みかけの推理小説(横溝正史!)を読んで寝ることにしよう…。

  • 2003−7−9(水)の朝
     猪瀬直樹著『ミカドの肖像』という本、86年出版だからけっこう昔の本だが、その中で著者がミシガン州にある「ミカド」という小さな町(村?)を訪れるくだりがあることを知り、ぜひ読みたくなった。で、図書館間貸借サービスを利用して取り寄せた(なんとイェール大学から届いた)。
     分厚い本だが、とりあえずそのミシガンに関する部分だけ読んでみた。ミシガンの片田舎に日本語の名前を持つ町が誕生した経緯、戦争中に改名騒動が起きた話、著者が取材で現地を訪れた時のことなど、なかなか面白かった。その「ミカド」まで、ここからクルマで4時間近くかかるようだけど、ちょっと行ってみたくなった。

  • 2003−7−10(木)の夜
     疲れがたまってる気がして、今日は「半日オフ」に決めて午前中は寮の自室でゴロゴロ。そりゃまあ、1日のうち14時間くらいも研究室に行ってれば、疲れるに決まってるだろう。『ミカドの肖像』の続きを読んだりした。午後から研究室へ。でも、なんだか異様に眠くなったので、常備してる簡易マットレスを敷いて昼寝。
     夕方、散髪に行って、今日はさっさと寮に帰ってきた。久しぶりにビールを一本。でも、やはりもうちょっと仕事してから寝よう。

  • 2003−7−11(金)の夜
     博士論文のテーマを決定する段階で長いこと苦しんでいる。でも今日、ちょっとよさそうなアイデアが出来てきて、ちょうど今日は指導教授と会う約束だったので、それを話したら、良いとも悪いとも言われなかったけど、「それなら南アフリカ共和国の例も調べてみろ」とかいくつかヒントをもらった。8月下旬くらいにプロポーザルを書き上げて4人の担当教授に渡し、9月第2週あたりにプロポーザル・ディフェンスの予定。なんとか、フォーマル理論とデータ分析を融合した「EITM」型の研究をしたいと思ってるのだが、さて、どうなるか。

  • 2003−7−13(日)の夕方
     韓国人の同僚W君は、僕が先月行ったプログラムの姉妹プログラムに参加していて、おととい帰ってきた。彼の行った方では、全員が自分の研究を発表する必要があったとかで、相当に忙しかったらしい。
     今日は彼と一緒に昼飯を食いに行った。韓国料理の店に行ったら休みだったので、インド料理の店へ。彼はこの夏の間ずっと多忙なため、妻子はソウルに帰っていて、来月まで帰ってこないのだそうだ。が、広々したミシガンの暮らしに慣れた子供達は大都会のソウルに馴染めずに困ってるとのこと。5歳くらいになる息子はいつも国際電話で、「ダディ、早くアメリカに帰りたいよー」と訴えるのだとか。しかも息子はもう韓国語よりも英語のほうが上手くなっているそうで、その様子にW君は困惑してるようだった。確かに、自分の子供が自分の国に馴染めなくなったらちょっとショックだろうなぁ。そういうことを気にせず、「好きなところに住めばいいじゃん」と言えるようになればそれはそれで楽だと思うが、W君や僕のような人はどうもそこまで割り切れなさそう。

  • 2003−7−16(水)の夕方
     二日酔いで一日中頭痛…。なんだか最近、二日酔いすることが多くなった気がする。弱くなったのかなぁ?飲む回数が少なくなった分だけ、飲むときにはつい量が増えてしまうんだろうか?

  • 2003−7−19(土)の朝
     どうも最近は低調だ。7月頭に飛ばし過ぎた反動だろうか…。でも、そんなこと言ってはいられない。あと一ヶ月くらいで新学期が始まるので、それまでに博士論文のほうをバリバリ進めないと。アイディアはポツポツ浮かんできてるんだけど、それをまだ誰もやっていないことを確認して、そのアイディアをうまく論文の形にまとめることがこれから必要。

  • 2003−7−20(日)の夜
     昨日から今日にかけて、ここから一時間ほどのアナーバーに遊びに行ってきた。2年前と3年前の夏に「ICPSR」のために滞在したことがあるので、もう慣れた街だ。昨日は4人でバーで飲んで、1人の家に泊めてもらった。で、今日は久しぶりにジンガーマンズのサンドイッチを食べて大満足。こんな旨いサンドイッチは滅多にない。これを食べるだけのためにアナーバーまで行ってもいいくらいだ…。
     さて、明日からこそ本当に真剣に勉強しよう。。

  • 2003−7−22(火)の深夜【36万アクセス到達しました】
     先学期教えた「比較政治学入門」の学生による授業評価の結果が届いた。このクラスは、初めて自分で講義内容のデザインから全てをやったクラスなので、評価が楽しみだったのだが、かなりよかった。裏面の自由記入欄はほとんど賛辞で溢れ、「楽しかった」「ためになった」「来るのが楽しみだった」とか、あと僕のことを「funny」「熱心」「ユーモラス」と書いた学生が多かった。また、僕が自分でインドや中国を旅行したときの話を織り交ぜて講義したのも好評だったようだ。
     そんな中で1人、冒頭に「Ko was the shit.」(コウはウンコだった)と書いてたのがあったので、ギクッとしたが、その続きを読んでみたら凄く良いことが書いてあった(「彼が教えるクラスは全部取る」とか)ので、彼の「shit」は良い意味だったようだ。良い意味と悪い意味の両方に使える単語なんて非常にややこしいが、たまたま後輩のマイクが通りかかったので訊いてみたら、「a shit」の場合は悪い意味で「the shit」は良い意味であるのが普通だそうだ。なんとしかし英語という言語は難しいものだ…。
     あと、「Give him a fucking raise because he damn well deserves it.」というコメントが。無理に和訳すれば、「彼にクソめちゃくちゃな昇給をしてあげろ、奴はチョーそれに値するから」という感じか?この学生も、よいコメントを他にいろいろ書いてるから、この文では卑語を使ってるけれど皮肉とか反語ではなく本当に賛辞らしい。

  • 2003−7−24(木)の夜
     博士論文のテーマがだんだん固まってきた。いろいろ過去の研究を読んでいるが、僕が考えている内容はどうやらまだ深くは研究されてないようだ。うまくピシッと理論がまとまって、データ分析でもその議論が支持されれば、けっこういい研究になりそうな気がする。まあ、そんなふうにうまくいくことは滅多にないんだが。
     データ分析では、多くの国をサンプルにした分析と、個別の国の例(日本など)を使った分析を両方入れたい。
     あと、なるべくなら理論は空間モデルかゲーム理論を使ってまとめたいのだが、できるだろうか…。
     とにかく、あと一ヶ月で秋学期が始まってしまうので、それまでにプロポーザルを書きあげねばならない。幸いにも僕の指導教授はプロポーザルは10〜20ページ程度でいいと言ってくれてるので、書くこと自体は大した問題ではない。それよりも、ちゃんと内容を熟慮してしっかり構成をまとめることが大事。

  • 2003−7−25(金)の夜
     イリノイ州出身の先輩J氏(昔からの読者の方は覚えてらっしゃるでしょうか)は、フロリダ州の大学に就職が決まって、月曜日に引っ越してゆくことになっている。で、今日は2人で夕飯を食べに行くことに。
     彼のアパートに迎えに行ったら、引っ越しを控えて部屋は段ボール箱だらけ。「片付けてたら開けてないワインが出てきたからあげるよ」と、ワインを貰った。オーストラリアのRosemount Estate Shiraz 2000というモノ。わーい。
     こういうときにHOOTERSに行くあたりがいかにも彼と僕。今日は"eye candy"の面ではイマイチだったが、食事はやはり旨かった。彼がマイアミで住むアパートは2ベッドルームだそうで、いつでも遊びに来いと言ってくれた。フロリダは行ったことがないので、ぜひ行こう。彼は彼で、「キューバ系移民の彼女を作ろうかなー」とか言ってた。

  • 2003−7−27(日)の朝
     昨日は日本人6人で、ミシガン州南西部のミシガン湖のビーチに遊びに行ってきた。湖なんだけど、巨大な湖だからまるで海のよう。もちろん対岸は見えないし、波も砂浜もあり、水が塩水でないこと以外は海と変わりない。
     前日までの天気予報によると暑くなって湖水浴日和になるハズだったんだけど、実際は曇って寒くて強風が吹きまくっていた。足だけ水に入ったけど、異常に冷たかったので泳ぐのは断念。(でもアメリカ人リゾート客はけっこう泳いでいた。まあ、何ヶ月も前から宿を予約して来た家族連れだったら、どうしても泳ぎたい気持ちになるのも分かる。)
     泳げなかった代わりに、砂浜でいろいろ遊んで帰って来た。今度は天気のいい日に行きたい。


    砂に身体を埋めてもらってバナナを与えられてる図。

  • 2003−7−28(月)の夜
     今朝、なんだか突然、日本の塩味の飴がなめたくなった。アジア系スーパーに行ってみたけど売ってなかった。でも何でもいいからとりあえず飴を買おうと思って、メロン味のを買ってきた。それなりに旨いけど、すぐ飽きそうでもある。

     僕の所属する政治学博士課程は、4年前に僕が来て以来まったく日本人が入ってこなかったのだけど、来学期からついに日本人の新入生が2人入って来ることになって、2人ともここ数日で相次いで到着した。楽しくなりそう。


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