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留学記「大学院をミシガンで」

9月 < 1999年10月 > 11月


  • 99−10−1(金)
     加湿器を購入。僕はノドが弱くて、空気が乾燥しているとすぐカゼをひいてしまう。大型スーパーで5種類くらい並んでいるうち、一番安いもの($30)を買って帰った。しかし、運転音がうるさい!勉強してるときにはちょっとつけてられないくらいだ。う〜ん、安いものには理由があるものだ。
     夕方から、政治学研究科の飲み会があった。今日初めて会った上級生の1人と長く話し込んだ。上級生と話すと、今後のことなど、参考になることが多い。

  • 99−10−2(土)
     週末ももちろんひたすら勉強。これから10日間くらいが今学期のヤマになる。これを乗り切れば、あとは学期末までちょっとはマトモな生活ができるだろう。

  • 99−10−4(月)
     用事があったので朝から学校に行ったのだが、とにかく寒い。10月初めだというのに、もう息が白い。この先、真冬にはどんなことになるのやら。

  • 99−10−6(水)
     27日に提出したペーパーが返ってきて、意外にもいい点がついていた。25点満点の20点。ホッとしたのと同時に、ちょっと拍子抜けしたような。

  • 99−10−7(木)
     TA(ティーチングアシスタント)をしている2クラスの両方でテストがあった。学生が一生懸命テストを受けているのを教壇から監督するというのは、今までにない経験で、なんだか面白い。片方のクラスはマークシート式テストだったのだが、この大学にはマークシートを採点してくれるオフィスがあって、そこに学生の回答シートを持って行くと、機械で採点して、平均点とか得点分布とかその他もろもろの統計資料と一緒にEメールで結果を送ってくれるのだ。なんとも近代的。
     しかし、もう片方のテストは論述式で、僕が採点をしなければならない。アメリカ人の学生の手書き文字はかなりクセのあるものが多いので、かなり心配していたのだが、やってみるとそれほど大変でもなかった。23人分の採点だったのだが、6時間くらいでできた。もちろん奇怪なミミズ字のものもあったが(減点したくなるのを必死にこらえた)、書いてる内容はだいたいみんな同じことなので、やってるうちにスピードも上がってきた。よかったよかった。

  • 99−10−9(土)
     今シーズン、うちの大学のフットボールチームは絶好調で、ここまで開幕5連勝を飾っている。で、今日はライバルのミシガン大学(University of Michigan)との対戦。毎年秋恒例のこの両校の対戦は、ミシガン州民の秋の楽しみとなっているそうだが、さらに今年は30数年ぶりの全勝同士での激突とあって、大変な盛り上がりになった。僕も、勉強が忙しいといいながら、やはりテレビで観戦した。試合は、ヒヤッとする場面もあったが、見事勝利でなんと開幕6連勝。全勝のままシーズンの前半を終えた。さあ、どこまで行くか。

  • 99−10−10(日)
     水曜に〆切のペーパーが、真剣にやばくなってきた。まったく進まない。火曜には別のクラスの中間テストだし、ケツに火がついてきた。コーヒーと炭酸ジュースでカフェインを入れつづけながら、徹夜でやった。今日は日本人会のパーティーがあって、行きたかったのだが。

  • 99−10−11(月)
     3時間だけ仮眠をとって、ペーパーの続き。午後は授業に行って、夜、明日のテスト(統計学)の勉強を始めた。

  • 99−10−12(火)
     統計学の中間テスト。思ったよりも難しかったが、まあなんとかできた。問題数が多くて、2時間以上もかかった。
     寮に帰ってきて、いつものようにインターネットでニュースを見たら、なんとパキスタンでクーデター。4年前のバックパッキング旅行中に一ヶ月ほど滞在して、かなり好きになった国であり、しかも卒論でパキスタンの政治について書いたこともあり、いつも注目してきた国だ。あまりの驚きに、思わず大きな声がでてしまった。
     ここ数日、睡眠不足が続いているのだが、明日〆切のペーパーがあるので今夜も休めない。今夜もカフェインを大量に摂取しながら徹夜。

  • 99−10−13(水)
     3時間だけ仮眠して、朝食も抜いてずっと書きつづけて、やっとペーパー完成。といっても、かなりひどい出来だが、しかたない。出さないわけにはいかないんだから。で、やっと一息つけると思っていたのに、別のクラスで月曜日に10分間の発表が割り当てられた。グエ。結局、学期末まで休む暇はないということか。

  • 99−10−14(木)
     久しぶりに目覚ましをかけずにゆっくり寝てた。渡米から2ヶ月、髪が伸び放題のボサボサになっていたのだが、ここのところずっと忙しくて、床屋に行く時間すらなかった。で、今日はちょっと時間があったので、散髪へ。安いところに適当に入ったのだが、おそろしく荒っぽい床屋で、なんと10分で終わった。それで10ドル。まあ、時間も金も節約できたけどさ。

  • 99−10−15(金)
     日曜日に、「髄膜炎菌性髄膜炎」という感染病の患者が学生から1人でたため、今週ずっと、大学が無料で予防注射を実施している。週の前半はとても暇がなくて行けなくて、今日やっと行った。「ものすごい長蛇の列で、一時間半待った」とかいう話しを聞いてたので、待ってる間に読む本を持って行ったのだが、全然すいてて、待たずに受けられた。金曜の夕方だから、学生はみんな遊びに出ていったのだろうか。
     僕はもちろん金曜の夜も勉強。週末に進んでおかないととてもやってけない。月曜には発表があるし。

  • 99−10−16(土)
     月曜の発表に割り当てられた文献を読んでいるのだが、難しくてすすまない。不必要に難しい単語や言いまわしをつかう著者で、イライラしてきた。朝の4時まで。
     ところで、開幕6連勝中だったこの大学のフットボールチームが、今日、格下(たぶん)のパデュー大学に惨敗。全国ランキングもまたベスト10から落ちてしまった。

  • 99−10−17(日)
     ひたすら発表の準備。しかし、なんだかはかどらない。今日も朝まで。

  • 99−10−18(月)
     4時間くらい寝て、発表の最後の追い込み。結局、レジメはちゃんと作ったが、しゃべる練習をする暇がほとんどなくて、かなりつっかえたりドモったりの発表になってしまった。まあ、内容には自信あるが。先生も、僕に流暢な英語を期待してはいなかっただろうし、VERY GOODと言ってくれた。
     その後の夕方の授業で、猛烈に眠くなった。入学以来これまで、授業中に眠くなったことがなく、素晴らしいことだと思ってたのだが、ついに。目薬をさしたり、いろいろしてみたが、どうしても眠気が覚めなかった。
     そんなこんなで疲れきってるのに、明日提出の宿題があるので、今夜もゆっくりはできない。自分のパソコンには入ってない統計ソフトを使うものなので、隣の寮のコンピューター室に行ってやった。簡単なのに時間ばかり食う課題で、夜の12時前になってやっとできた。帰って、泥のように眠った。

  • 99−10−19(火)
     統計学の中間テストの結果が返ってきて、98点!クラス最高点らしい。よっしゃ!

     今日は、今学期の中間点らしい。今日までなら、履修放棄をしても成績が残らないのだそうだ。学期の折り返し点まで来た。「あっという間だった」というのがよくある感想(学部時代とか、いつもそう思っていた)だが、今はそうは思わない。ここまで、猛烈に長かった。授業開始から一ヶ月半とちょっとだが、これほどに濃密な一ヶ月半というのは、今までにそうはなかった。実際、この期間に増えた自分の知識量は莫大である。信じられないほど。
     「詰め込み教育」という言葉があるが、まさに詰め込まれの日々だ。たった80分1コマの授業に、読んで行かなければならない文献が100ページを越えることもザラである。それが週に6コマあるわけで、指定文献の全てを精読することはとても無理で、おおまかな内容がわかる程度にザーッと読んで終わりにすることの方が多い。そこに、ペーパー・宿題・発表・テストなどが入ってくるので、そこで徹夜になる。
     もう少しゆっくりやってくれれば、といつも思う。興味ある論文なのに時間がなくて読み切れなかったり、ということの繰り返しで、欲求不満が溜まる。さらに、授業のときに先生が、「この問題に関連して、誰々がなんとかという本を書いていて・・・」と紹介して、それもまた非常に読みたくて、しかし次回の予習に手一杯でとても読む暇がない、という具合。冬休みにそういうのをまとめて読むことにしようか。

  • 99−10−20(水)
     今日は自分の研究計画の草稿を提出する〆切なのだが、ゆうべはあまりに眠くて頭が回っていなかったので、4時間だけ寝て、朝の4:40に起きて、研究計画を考えた。しかし、考えてもうまくまとまらない。自分の今後を決める重要な決定だと思うと、迷いが深まるばかりだ。それに、なにかテーマを思いついても、すでに誰かがやってるんじゃないか、という疑問も湧く(つまりは勉強不足ってこと)。
     時間が迫り、焦りが増すばかり。まあ、草稿だし、これから変えてもいいんだから、と割りきって、なんとか書いた。昼飯を食う時間もなく、ギリギリで間に合った。書いた研究テーマは、「発展途上国の政府が経済開発のために経済改革政策を実行するときに、社会からの反対に挫折させられずに一連の改革を遂行できるかどうかの度合いが、政治制度(大統領制/議院内閣制の差や選挙制度など)からどのような影響を受けるか」というもの。

  • 99−10−23(日)
     壮絶な2週間のあとで、身体に疲れが蓄積してたので、この週末はゆっくり休んだ。本当は勉強するつもりだったんだけど。

  • 99−10−24(月)
     13日に提出したペーパー(最悪の出来)が返ってきて、意外にもいい点がついていた。4点満点の3.5点。僕が教官だったら、あんなものには2点くらいしかやらんと思うんだが。必修科目だから甘いのか、それとも僕が留学生だからか。だとしたら悔しい。まぁ、とりあえずいい点でよかったけど。

  • 99−10−28(木)
     $10でインフルエンザの予防注射をやってたので行った。大事な時期に倒れたら大変だし、寮に住んでるから感染の危険も高いと思って。
     TA(ティーチングアシスタント)をしてる2科目のうちの一つ「アメリカ憲法」のクラスは、出席だけとればいいので、普段は授業を聞かずに自分の本を読んでるのだが、今日は死刑制度のはなしで、面白かったので聞いてた。アメリカでは、38州に死刑制度があり、12州にないそうで、ミシガンはないうちの一つだそうだ。ここ20年間に、全米で数千件の死刑判決がでたが、執行されたのはそのうちわずか7%とのこと。日本と似てる。人種別では、白人50%・黒人41%・ヒスパニック7%・その他2%だそうだ。人口比では黒人は11%しかいないそうだから、41%という数字はかなり高い。あと、死刑判決の人種比率と死刑執行の人種比率はほとんどかわらない、というはなし。これには、なんだかホッとした。

  • 99−10−29(金)
     同級生2人と、バスケットをした。ちゃんと運動するのは久しぶりで、バスケも半年ほどやってないので、かなり調子が悪かった。明日の朝はひどい筋肉痛だろう。

  • 99−10−30(土)
     歳をとると、筋肉痛が翌朝じゃなくて遅れてやってくる、という。実際、そういう経験もあるのだが、今日はちゃんと翌朝にやってきた。ちょっと安心である。いや、筋肉痛にならないほどに普段から運動してれば一番いいんだけど、いまの環境ではそれは無理だ。
     寮の近くの部屋に住んでた台湾人の友達が引っ越して、引っ越しパーティーをやったので行った。転居先のアパートは自転車で15分の距離だったが、天気がよかったので気持ちいいサイクリングだった。中華料理を食いまくって、ワインを飲みまくって楽しんだ。カタコトだけ話せる中国語を話すと、みんな面白がって話してくれる。こっちも中国語を思い出すいい機会である。(中国語は、学部時代に第二外国語で履修して、その後、中国を旅行したときに使ったので少しだけわかる)
     ワインを飲みすぎて潰れてしまった。たまにはいいか(?)。

  • 99−10−31(日)
     昨日で夏時間(こっちの言葉でいうと「日照節約時間」)が終わって、通常時間に。朝、目覚めたら6時で、実は5時だと気付いたら嬉しくなって飛び起きた。一時間得した気分。
     しかし、時計を合わせたりとかが面倒だから、この制度は嫌いである。アメリカのなかでも夏時間を採用していない場所もあるそうで、なんだかわけわからん。日本でも採用するとかの話があるが、大反対だ。
     今日はハロウィーンで、今週末はいろんなとこでパーティーがあった。残念ながら、今年は何も仮装せず、どこにも行かずじまい。前回の留学のときは(2年前)、23歳にしてTrick or Treat(仮装して街の民家を尋ねてまわり、お菓子をもらう)までやったものだが、今年はちょっとヒマがなかった。昨日酔いつぶれたせいで勉強の計画もかなり遅れたし。


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