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留学記「大学院をミシガンで」

10月 < 1999年11月 > 12月


  • 99−11−1(月)
     韓国人の友人と雑談していて、「日本には男女が一緒に入る公共の風呂があると昔聞いたんだけど、本当か」と訊かれた。ああ、混浴のことか、と思って、「俺は行ったことはないけど、あるよ」と言ったら、彼は興奮して、「日本に行きたい!」と叫んだ。そんなに驚くことか?と思って、韓国にはないのかと訊き返したら、「あるわけがない。韓国はもっと保守的なんだ」と残念そうに言った。彼によると、ビデオ屋にエロビデオもないそうだ。(混浴とポルノを同列に論じるのもどうかと思うが・・・)

  • 99−11−4(木)
     TAの仕事で、試験監督を2つのクラスでやった。今回は採点しなくていいので、助かった。学生が一生懸命に問題を解いてるのを教卓から見てると、なんだか偉くなったような気がした。実際は、彼らがやってるテストをやれと言われてもできないんだけど。

  • 99−11−6(土)
     月曜提出のペーパーがなかなかはかどらない。いつもいつもギリギリになる癖をなんとか改めたいものだ。ここ数日、けっこう睡眠を削ってやっていたが、今日はいよいよせっぱ詰まったので、朝の5時までやった。

  • 99−11−7(日)
     9:30ころ起きて、ずーっとひたすらペーパー。夜、9時から12時ころまで仮眠して、あとは朝まで。

  • 99−11−8(月)
     土壇場。しらじらと夜が明けてくるにつれて、焦りが増してくる。朝飯を食べる余裕もなく、ひたすらペーパーを書く。電源を入れっぱなしなので、パソコンが熱くなってきて、変な音をたて始めた。
     大学に「Writing Center」というところがあり、自分が書いた文章をそこに持って行くと文法の間違いとか表現を添削してもらえる(無料)。そこに11時に予約をしていたのだが、10:55にやっとペーパーが一通り完成して、徹夜明けでフラフラなのに、自転車を飛ばして行った。添削してくれるのはアルバイトの学生なので(一応、英語専攻の学生とからしいが)、そんなに専門的な添削は期待できないのだが。添削してもらって、帰ったら正午。ペーパーの〆切は3時で、とりあえず昼飯を食って、1時間だけ仮眠して、ペーパーを直して、3時ギリギリに間に合った。どうしていつもいつも、一週間もかけて取り組んできたものが最後の数分で間に合うのだろう??
     しかし、今回はけっこういいものが書けた。あと2日くらいあったら、とも思うが、とりあえず自分で80点はやれる。入学以来書いた3本目の小論文で、やっとマトモなものが書けた。だから、疲れたけど、気分はよかった。

  • 99−11−9(火)
     統計学の宿題の〆切。よくもまあ、毎日こんなに課題があるものか、とため息がでる。学期初めにはやたら簡単だったこの科目(最初の3週間くらいは一切ノートをとらなかった)だが、どんどん難しくなってきた。でも、最近学んでることは、難しいかわりに有用である。標本を分析して仮説検定するやり方とか、「これは使える!」と思う。現代政治学では統計とか数理モデルとかを使う数学的手法が非常に重視されているのだが、学部時代は避けて通ってきた。しかし、これをマスターすれば自分の強い武器になるし、是非マスターしたいと今は思うようになった。全てを数量的に分析しようとしたり、数量的に証明できないものは研究しないとかいう一部の政治学のあり方には今でも批判的であるが、数量的に分析するのに適した研究対象は確かにあるわけで、数量的手法を身につけておけば、守備範囲が確かに広がるのだ。使う手法の違いが学派になっているのは、間違った現象だ。自分が分析したい対象に最も適した手法をその都度使えばいいのであって、将来そういう学者になれるように、今はじっくりと基礎固めの勉強をしたい。

  • 99−11−10(水)
     また10分間の発表が割り当てられた。今度は12月1日。もう順番は回ってこないだろうと期待していたのだが、甘かった。いよいよ学期の終盤に入ってきた。夜、これから学期末まで5週間の日程を整理してみたら、ガーンとなった。比喩ではなく、文字通り目が回った。グラリ、と。これだけの課題を、果たしてこなせるのだろうか。発表と小論文と宿題とテストと普段の授業と、さらにTAの仕事と。いよいよ正念場だ。

  • 99−11−12(金)
     買い物する用事があって、久しぶりに大学の敷地外に出た(←なんて生活だ)。バスでショッピングモールに行ったのだが、「ポケモン」が溢れてるのにビックリした。オモチャ屋の店頭には巨大なぬいぐるみが飾られてるし、昼食に入ったバーガーキングの店内はどこを見まわしてもポケモンだった。映画は記録的ヒットらしい。アメリカという国、このへんが不可解である。

  • 99−11−13(土)
     どうにもダレてしまって勉強が進まない。この週末は切迫した課題がないけど、先へ先へ進んでおこう、と思ってはいたのだが、どうも〆切が近づかないと集中できない性格が直らない。こんなことでこの先どうするのか。自分に腹がたってきた。

  • 99−11−14(日)
     今日ダラダラしてしまったら本当にダメ人間になってしまう、と気合を入れて、早起きして朝から勉強。夜中の3時半まで。しかし、時間をかけても、英文を読むスピードが遅いのでなかなかはかどらない。内容が難しいこともあり、ついつい集中が切れて別のことを考えてしまったり。

  • 99−11−15(月)
     先週提出した小論文が返ってきた。自分ではけっこういい出来と思ってたのだが、厳しい指摘がけっこう入ってて、「う・・・」という感じ。言われてみればその通り、という点が多く、さすが教授だなぁ、と思った。1回目の小論文のときは評価が甘かったんだけど。

  • 99−11−16(火)
     学内で、学生の団体がよく何かの運動をやって通行人にビラを配ったりする場所があるのだが、昼ごろそこを通りかかったら、今日は環境保護のキャンペーンみたいなことをやっていた。1人の女子学生がビラを手渡してきて、リサイクル推進の運動で、学長と副学長にEメールで要求する運動をしてるから協力してくれ、とのこと。ビラには学長・副学長のメールアドレスと、書いて欲しい文面が載っていた。「でも、彼らはそんなにたくさんのメールを受け取りたくないと思うけど」と言ったら、平気な顔で、「だからやるのよ!」と言う。「いや、俺は彼らを困らせたくないから」と言ってビラを返したら、「OK」と。彼女の目には俺がリサイクルに不熱心な人に映ったかもね。そういう問題ではないんだが。同じ文面のメールを何十通も受けとった学長がその問題への考えを変えるとは思いにくいし、それはほとんど嫌がらせである。それにしても、最近はEメールがこういう運動にまで使われているんだなぁ、と驚いた。
     ところで、この大学に来て驚いたことの一つは、Eメールやインターネットが大学で果たしている役割の大きさである。日本の大学では学内に「掲示板」があって、学校から学生への連絡はそこに張り出されるが、ここにはそれがなく、メールでいろいろな連絡がくる。授業の履修申請は、日本では指定の用紙にいちいち記入して事務室に提出に行ったものだが、ここではWWWを使ってできる。図書館の貸出中の本の催促もオンラインでできるし、マークシート式のテストの結果がメールで届いたりもする。この便利さには感激だ。僕の場合は寮の自室から自分のパソコンをLANで学内ネットワークに接続しているので、部屋にいながら何でも調べられる。スバラシイ。

  • 99−11−20(土)
     水曜日提出のペーパーがなかなか進まなくて焦ってたのだが、フットボールの今季最終戦があって、第4クォーターだけテレビ観戦。前半の大量リードが嘘のように、あれよあれよという間に同点に追いつかれて、これは負けたと思ったのだが、一年生テイルバック・T.J.ダケットの劇的タッチダウンがでて勝利。9勝2敗の好成績でレギュラーシーズンを終えた。全米ランキングは11位。で、フットボールと入れ替わりに今度はバスケシーズンが開幕。休む間もなく愛校心をかきたてられ続ける季節です。

  • 99−11−24(水)
     ペーパーを一つ提出。いつものように直前数日間は〆切前のマンガ家状態だった。こんなに寝ずにやったのに、出来は惨憺たるもの。テーマがとりかかりにくいものだったせいもあるのだが、こんなものを出しても大丈夫だろうか、ってほどのものになってしまった。月曜日に教授の顔を見るのが怖い。
     明日が感謝祭のため、今週は木〜日の4連休だ。帰省する人が多いようで、寮も静かになった。でも、僕は普段から金曜が休みなので、たいして変わったことはない。どこに行くでもなく、とにかく勉強せねば。一週間後には発表が待ってるし。

  • 99−11−26(金)
     図書館に行って、本を14冊借りてきた。かばんに入りきらなかったので、数冊は手に持って帰ってきた。(14冊といっても、部分的に参考にするためであって、もちろん全部を読むわけではない)ところで、図書館には普通、貸出し冊数に制限があるもので、気になったので、以前、案内カウンターで聞いてみた。そうしたら、「正確には知らないけど、700かそのくらいだと思ったけど・・・」との答え。それはすごい。貸出し期間も、大学院生は4ヶ月もある(ただし、誰かが「催促」をいれるとその後2週間で返さねばならない)。蔵書もかなり揃ってるし、この図書館は素晴らしい。

  • 99−11−29(月)
     3時から4時半までの授業のあと、外に出たらが舞っていた。地面が白くなるほどではないものの。初雪だろうか?気付かない間にこのくらいは降ってたかも知れないけど、とりあえず見たのは初めて。10月には降るとかって脅かされてたけど、結局11月末まで降らなかった。この調子で暖冬になってくれればいいんだけど。

  • 99−11−30(火)
     明日、10分間の発表が割り当てられてて、早めに準備しておこうと思ってやってきたのに、やっぱり今回も直前ギリギリになってしまった。夜中の3時ころ、とりあえずレジメだけできたので、寝た。読む練習は朝やろう。


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