Remember11プレイ日記


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9月4日

KIDを代表するアドベンチャーゲームの一角を担う「infinity」シリーズ。
そのシリーズ第二作目「Ever17」が発売されたのが2002年の8月末。
KID初のサスペンスアドベンチャーであったEver17は、KID作品としては初めて絶賛の嵐をあびた。
(一応メーカー側は “恋愛アドベンチャー”としているが、このジャンル付けに賛同する人はあまりいない。)
それまで“ペプシマン”やら“ユーレイヒロイン”やらネタな作品しか出していなかったKIDは、Ever17によって一躍脚光をあびる。
そして同年11月末、KIDのメインシリーズ「Memories Off」の第四作目が発表され、そのあまりの出来と「やっぱりKIDだ」という一言とともに、KIDの評価はEver17発売以前のそれに戻った。
結局KIDの黄金時代は三ヶ月しか続かなかったのである。

しかし2004年3月、KIDは「infinity」シリーズ第三弾「Remember11」を発表。
今作からジャンルも“サスペンスアドベンチャー”と恋愛色を拭い去り、黄金時代を再現しようと計る。
そしてファンの期待を一身に背負い市場に出たRemember11の評価を表すこの一言。

「・・・は?」

黄金時代の再現はならなかった。


こういう経過を知っていたので当初はRemember11には手を出さなかったのだが、なんだかんだ言った挙句結局入手してしまった。
「テキストは素晴らしいがオチが酷い」という評価を念頭において、多大な期待さえ抱かなければ、まあ大丈夫だろう。

始めてみて、最初の感想。
「ああ、打越テキストだ」
別に電波が入っていたわけではないが、台詞と文章の組み合わせがえばせぶと同じでなのでそう感じたのである。
打越氏のテキストのクオリティは高い。
が、その中に電波を織り交ぜることによって、彼一人にしか理解不能な文章になることが度々ある。
えばせぶでもクィクィ星人やらニンネコやらベータカロチンやらの昔からのネタが再現されていたが、りめいれではそんなことはなかったのでひとまず安心。

一回目なのでココロ編を進めるが、ずいぶんとシリアスな展開が進む。
まあ、あの状況でコメディを炸裂させられる方がどうかしているが・・・。
りめいれの雪山と比べると、LeMUはまだまだ危機感が薄かったと思える。
何せ崩壊まで24時間を切った状況下で隠し芸大会を開いていたくらいだし。

初回プレイは結構スムーズに進んだ。
途中、湯船で溺死させられ、バスルームで斬殺されたくらいである。
そして最後に正史どおりの展開で雪崩に巻き込まれて終わり。
・・・正史の原因はあんたやったんかい、こころ。

テキストはかなりすごい。
が、ストーリーがサスペンスなだけに、終盤では鬱な展開になるのは避けられない。
例えるならたけぴょん視点バッドエンドへと至る展開を延々と見せられている感じ。
けっこう精神的につらい。

システム・操作性は、えばせぶより更に向上。
これに関してだけは、KIDは業界一と言っても過言ではない。
えばせぶでの片手操作で、もうこれ以上のシステム強化は出来ないだろうと思ったのだが、そこはKID。
りめいれではゲーム中メニュー画面を呼び出すと、章テキスト既読率、全テキスト既読率、章タイトル、BGMタイトル、今プレイの経過時間、全プレイの経過時間、などが表示される。
これは自分がどこまで進んだのかを知る上で非常に便利。
タイトル画面のClear Listでは、各章のテキスト既読率も掲示されるので、どの部分が未読なのかすぐ分かる。
この手の情報は掲示しすぎると、解くという楽しみをかえって奪ってしまうものだが、KIDはその点の考慮もしている。
例え章の既読率が表示されたところで、どうやったら未読テキストへいけるのかは謎のままなので、結局は試行錯誤を繰り返さなくてはならない。
“お助けナビ”などと言って、選択肢ごとにヒントを表示させる某移植メーカーような無粋な真似はしてないのである。
つーかサスペンスゲームでヒントなんぞ表示したら、後には何も残らないが。
敢えてヒントを表示するならバッドエンド到達後、「カーリー道場」のような感じでやるのが得策だろう。
(カーリー道場とは、えばせぶの4コマで知られる舞子海岸迄五分さんのCG掲示板に昔アップされていたネタ絵。キャッチフレーズは「雪山では凍死、スフィアでは惨殺しまくり、そんなアナタの掛け込み寺」。今じゃネット上のどこにも残っていないのが惜しい。元ネタは言うまでもなく某ビジュアルノベルのアドバイスコーナー。)

取り敢えずクイックロードからやり直して、無事ココロ編グッドエンドへ。
辿り着いて一言。

「・・・はい?」

まったくもって理解不能だった。
どのくらい理解不能だったかというと、山の頂上に辿り着いて向こう側を見たら海岸だった、と言うくらい理解不能。(注:比喩になってません)
とにかくあれがココロ編グッドエンドだったらしいので、サトル編がロック解除。
サトル編をクリアすれば謎が解けるだろう、などという考えは最初っから抱いてないが、どういう展開になるのか、やってみるべし。

その前にココロ編グッドエンドに関してもう一言。

「黄泉木はどないした?!」


9月5日

サトル編を開始。
なるほど、今回のネタは量子力学ですか。
前回の高次元視点に比べて、遥かに難解な内容である。
つーかこれがりめいれのウケが悪かった理由の一つだろうな。
ハイゼンベルクの不確定性原理なんていきなり説明されても、プレイヤーには何のことだかさっぱりだろう。
量子力学といえば一般的に知られているのが「シュレーディンガーの猫」だろうが、実際シュレーディンガーが有名なのはこの原理を唱えたからではなく、シュレーディンガー方程式と呼ばれる量子力学の基礎方程式を導いたからである。

このシュレーディンガー方程式が何であるのか説明するには、まず力学について述べる必要がある。
一般に力学というと古典力学、又はニュートン力学と呼ばれるものをさす。
古典力学において、物質の全ての情報はその位置と時間の表す関数、及び質量や電荷などの特質、によって表現される。
そして時間における位置の展開は、ニュートンの運動方程式(第二法則)によって司られる。
古典力学の基礎は高校の物理で習う内容であり、日常的な運動は古典力学で十分に表現できる。

しかし“物”の大きさが分子や原子、更に量子レベルまで小さくなると、古典力学は適用しなくなる。
この場合、量子力学が “素子”(“物質”という言葉は既に当てはまらない)の情報を表現するようになるのである。
量子力学において、素子の全ての情報は波動関数(Ψ)によって表現される。
この波動関数というのが、「シュレーディンガーの猫」が説明している内容、情報は全て確率によって表されるというもの。
そして、第二法則に代わって波動関数の展開を司るのがシュレーディンガー方程式。
「Hψ=Eψ」
Hをハミルトニアン又はハミルトン関数、Eをエネルギー関数と呼ぶ。
ハミルトニアンの説明はゲーム中のTIPSを参照・・・私もよく知らんし。(ぉぃ)
量子力学は物質レベルに適用することも出来るが、恐ろしく複雑な展開になった挙句、結果的には古典力学と同じ、となるので、何も好き好んで適用することもないだろう。

もう一つ、古典力学が適用しなくなるのは物質の速度が光速に近づいたときで、この場合は相対性理論によって表現することになる。
こっちは量子力学より更に複雑なので、説明は省略・・・というより私も知らない。

―――つーか分子工学の講義ノートまで取り出してきて何書いてんだオレは。(爆死)

ま、とにかくこんな具合で話が進む。(どんな具合だ)

謎解きも、結構自分で出来て楽しんだ、と言うより思いっきりのめり込んだ。
昼前に始めて、一応食事ブレークを2回取った以外は朝の1時までプレイ続行。
暴走した内海に何度か刺し殺され、白い部屋で刺し殺された以外はスムーズに進む。
ココロ編でのラストも、量子力学のネタで取り敢えず説明が付いた。
こころと合流し、雪山に再突入したところで、さすがに今日はここまでにするべきだろうと判断して中断。
なにせ翌日は仕事があるのだから。(爆)


9月6日

中断箇所から再開したら、30分程度でサトル編グッドエンドへ到達。
もっともサトル編エピローグに1時間弱費やしたが。
エピローグ後の感想。

「なるほど、これじゃ叩かれて当然だわな」

「ココ編はどこ?」というのがネット上でのプレイヤーの感想で一番多いが、別にココ編までは必要ないだろう。
ついでに言えば、「ココ編のないえばせぶ」や「鏡に少年の顔が映った時点で終わるえばせぶ」という評価もあまり適切ではない。
情報が少々不足しているが、まあそれなりに解決していると思う。
でも解決度が高すぎたえばせぶと比べるとプレーヤーに不満がたまるのは仕方ないだろうが、この辺りはエンドを全部埋めてから再考してみるとしよう。
総エンディング数33のうち未だ9個しか埋めてないので、後はひたすらバッドエンド稼ぎとなりそうである。
現時点で埋まってるのは、ココロ編グッドエンド、湯船溺死エンド、バスルーム斬殺エンド、雪庇転落エンド、X地点雪崩エンド、サトル編グッドエンド、サトル編エピローグ、内海暴走刺殺エンド、計画失敗刺殺エンド。

ところで、キュレイがまるで出てこなかったのだが、どないした?
infinityシリーズってキュレイが共通事項なんじゃなかったっけ?


9月7日

ココロ編を再開し、スキップ機能を駆使してバッドエンドを目指す。
毒殺エンド、スフィア遭難エンド、墜落現場直前凍死エンド、避難小屋斧エンド、を回収。
ちなみにinfinityなので全て「バッドエンド=死」である。
しかしココロ編序盤でかなりのバッドエンドを取り逃しているっぽい。
選択肢はほぼ選びつくしたから、あとはサトル編で別の選択をする必要があるのだろう。

このゲームが他のアドベンチャーと決定的に違うのは、前回プレイでの選択が次回プレイの展開に影響を及ぼすと言う点。
全エンドを埋めるには、ココロ編とサトル編といったり来たり何度もする必要がありそうである。


9月16日

ココロ編で更に墜落現場凍死エンド、墜落現場直後凍死エンドを回収。
その後は一周目と同じ展開でココロ編グッドエンドへ辿り着いたので、サトル編へ移行。
暗闇刺殺エンド、内海一服エンドを回収し、各章の既読率もずいぶんと上げたが、それ以外のエンドは回収出来ずにグッドエンドへ到達してしまう。
全33のエンド中17しか埋めてない。
再度ココロ編を開始するが、どうしてもそれ以上のエンドが埋まらないので、ついに情報ページにお世話になることにする。
(“システム情報”を入手しただけで、“攻略情報”ではない。)

・・・あ、バッドエンドでも次回プレイに影響を及ぼすんね。
グッドエンドじゃないと影響がないと思ってた。
つまり死んだ直後にもう片方で始めれば、同じ死に方が別視点で体験出来ると言う訳か。
なるほど、これなら回収エンドの数、一気に跳ね上がるな。


9月17日

ココロ編を一日目途中から始め、まずは回収済みの溺死Aエンドへ。
そしてサトル編を一日目途中から始め、連結されてる溺死Bエンドを回収。
(以後、Aはココロ編、Bはサトル編。)
同様に、連結のスフィア遭難Bエンドと毒殺Bエンド、避難小屋斧Bエンドも回収。
基本のセーブデータはココロ編で取っておき、ココロ編の単独エンドへ突入し、サトル編で連結エンドを回収したらセーブデータで戻って先に進める。

選択肢の関係か、ココロ編で新たな単独エンドを回収。
うむ、これはひぐらしエンドと名付けよう。(ヲイ)
その後辿り着いたもう一つの単独エンドは黄泉平坂エンドと名付けることにする。
両方ともジェノサイド。(爆)
当然のようにサトル編で連結エンドを回収。


9月18日

ココロ編の単独エンド、かなり取り逃がしていたらしい。
昨日の二つに続き、今日ももう二つ回収。
名付けるなら戦闘エンドと鮮血エンド。(マテや)
もちろんどっちもジェノサイド。(爆)
この日記だけ読んでると「ゲーム変わってないか?」と思えてくる。

どうやらサトル編で連結エンドは全て回収しきったようなので、サトル編単独エンドからココロ編連結エンドの達成を目指す。
サトル編で始め、暗闇刺殺Aエンド、内海一服Aエンド、計画失敗Aエンドを回収。
これで33のエンド全て回収終了。
ちなみに内海一服もジェノサイド。(爆)

このサトル編プレイで新たなCGを二枚回収。
一つはキスシーンだが、今まで見たキスシーンの中でも最高に恐ろしい一枚絵。
色気も何もありゃしない。
つーかありゃもう猟奇ホラーかも。(爆)
もう一つはEver17以来の伝統。

ここまででテキスト制覇率は98%、選択肢制覇率は97%。
CGはサトル編のが一枚埋まってないが、CGの位置と未読箇所から推測するにトビリンの一枚絵らしいので、どうでもよかったりする。(ヲイ)
気が向いたら回収してこよう。


クリア後感想

事前情報どおり、テキストのクオリティは高いので、読み進めてて飽きは来ない。
もっともノベルゲで飽きの来るテキストなど、その場で落第だが・・・。

シナリオの終わり方はえばせぶの正反対というか、締めくくりがないので気の抜けたコーラのような味わい。
「あとは皆さん各自考察してください」とでも言われているような感じ。
確かに与えられた情報は十分だから考察するには事欠かないし、私自身も大体の推測はついているが、サスペンスの終わりがこれじゃ本末転倒である。
巷では、「infinity」の時のように完全版が出るのではないか、と言われていたりするが、中澤氏自身が現時点での出来に満足しており「全体的なクオリティは過去最高」とまで公言しているので、それはないだろう。
ちなみに、ここで考察をやるつもりは全く無いので、あしからず。

音楽は、KIDゲームではお馴染みで、好評を得ている阿保剛。
りめいれでも物語の雰囲気を盛り立てる曲が揃っており、無くてはならない存在。
・・・なのだが、個人的には阿保氏の音楽は前ほど好きではない。
これは別に阿保氏の腕が下がったわけではなく、私が天門氏の音楽に出会ってしまったのが原因。
そういう訳で、サントラはパス。

イラストは左氏。
個人的には、可でも不可でもなく、と言った評価。
CGで気に入ったのは、涼蔭穂鳥の唯一の一枚絵。
いやぁ、惨死体と違って凍死体って綺麗ですねぇ。(マテや)

システムについては上で散々述べたので割愛。


最終評価:大して期待を持たずに始めれば、結構楽しめる。(酷)


(10/01/2005)
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