楽器との出会いは人との出会いに似て運命的である。色々な過去を持った楽器が今、私のもとにある。

Yamaha YSS-62S Silver Plated #0460
1982年頃、東京ユニオンでアルトを吹いていた堀さんから購入する。当時私の住んでいた杉並の家の最寄り駅は京王線代田橋駅であった。この駅で乗り降りするミュージシャンの中に堀さんもいて親しくなった。トランペットの加東伸夫、フリージャズのアルトサックス藤川義明も代田橋駅利用者であった。
マウスピースはBARI #64
American
Selmer Mark 6 #79349 1958年製
以前は仏セルマーのアルトを持っていた。これは最初に買ったサックスである。今思えばあまり質の良いものではなかったような気がするが初めてのサックスだっただけに大事にしていた。
現在の楽器は1989年にニューヨークの木管楽器修理では定評のあったサウル・フラムキンの店で買った。頼まれて日本に楽器を送るため探していたところ外見はひどいものだったが吹いてみると素晴らしく、自分で気に入ってしまい買ってしまった。前述のあれほど大事にしていたアルトはあっさりあきらめ売ってしまった。
修理屋のサウルは引退したか何かで残念なことにフロリダへ移住してしまった。現在は弟子のロベルトが店を続けており、なかなかの評判である。
マウスピースはジェイク・コンセプションのハンドメイド。メイヤーに似た形だがプラスチック製の透き通ったもので珍しいものだからアメリカ人にそれはなんだとよく聞かれる。
American
Selmer Mark 6 #224283 1974年製
これが私のメインの楽器である。1979年にマンハッタン48丁目のロッドボルティモアという店で買った。初めて訪れたニューヨークで滞在費として用意していた有り金をはたいて買ってしまったため、明くる日からアルバイトをしなくてならない羽目になってしまった。当時の価格は$1200。大金であった。今まで色々なテナーを吹いてみたが自分のものが一番良いと確信している。
マウスピースはオットリンクメタル#8☆
1992年日本に帰った貞刈さんから買った。コーンのサックスは独特の音色を持ちファンも多い。最近、オールドコーンが見直されてきており、使っている人も良く見かける。特にバリトンは以前から使っている人が多かった。有名なところではあのジェリー・マリガンがコーンの愛用者。あの音色はセルマーでは出ない。私もバリトンはコーンが好きである。ただし、低音の指使いに少し難があったり、Low Aがないのでビッグバンドで困ったりすることがあるがたいした問題ではない。
マウスピースはMEYER 7M SMALL CHAMBER
Miyazawa
SONORITY PCM-300 #10148
1981年、当時池袋に開店したばかりのダク(今は新大久保にある)で買った。最初はムラマツの総銀製が欲しくて探していたが予算があわなかった事と、本職のフルート吹きではないという妥協からミヤザワの新素材(銀と銅の合金)を使ったものにした。当時、読売交響楽団にいた野口さんにレッスンを受けた際見てもらったら、「これで十分ですよ」とお墨付きをもらった。買い替える機会もなく今でも使っているが、十分使用に耐える代物で結構気に入っている。
マンハッタン46丁目にあったジャルディネリで買った。それまでは妹が高校の時ブラスバンドで使っていたクランポンのエベットという学生用?のものを譲ってもらい使っていた。持ち替え用の楽器なのであまり質にこだわっていなかったが試してみたらなかなか良かったので買い替えた。アメリカで日本製を買うこともないと思ったが値段が手ごろだったのとフルートと同じで本職でないという妥協で決めた。ケースはA管も入る(A管は持っていないが…)ダブルケースなので外観はアタッシュケースのようである。ジャルディネリは金管楽器の販売で有名だが今はニューヨークの北の方に移転してしまいカタログ販売中心になってしまった。
マウスピースはVandoren B-45