野球に夢中

 野球が楽しくて仕方がない。年甲斐もなく野球に夢中になっている。1997年秋にニュージャージー州にあるアマチュアリーグに参加して4度目の秋が終わった。アメリカの生んだスポーツだけあってアメリカ人は野球が好きだ。まさかそんなアメリカ人に混じって野球をやるとは思わなかった。97年に発足した我々のチームは日本語の達者な一人のアメリカ人が中心となり、殆ど日本人という異色チームで出発した。このチームに参加するきっかけとなったのは、職場の仲間で時々やっていた草野球だった。ある時対戦したチームからアメリカ人のアマチュアリーグに参加するためにチームを作るので一緒にやらないかと声をかけられたのである。日本で草野球といえば普通、軟式野球だがアメリカでは軟式というものはなく野球はプロもアマも大人も子供も硬式ボールでやるのである。大人同士で本格的に硬式野球をやるのは初めてだった。しかも相手はパワーもスピードも勝るアメリカ人だ。若干の躊躇いはあったがやってみることにした。

 私の小学校時代は王、長島が現役でばりばりに活躍していた時期。その頃は校庭や近所の空き地に集まっては日が暮れるまで野球に興じたものである。しかし本格的に野球に取り組むことはなくその後は野球とは縁のない青春時代を過ごした。社会に出てから草野球を時々やるようになり、アメリカに住んでからもニューヨークの日本人の軟式野球チームに入ってセントラルパークで野球をやるようになった。私の勤めている学校に野球部を作り子供たちに野球を教えるなど野球との関りは徐々に増していった。そしてなんと四十を過ぎてから硬式の野球でアメリカ人に挑戦するということになる。
 実際にやってみると皆かなり真剣にやっているのに驚いた。また扱うのが硬球であるから油断をすると怪我をする。自然とプレーも真剣になる。硬式ボールはバットの真っ心でとらえると手にしびれは全く感じず、打球はぐーんと伸びて飛んでゆく。この感触がたまらない。真剣勝負と硬球の感触、これが野球をやっているという実感となってどんどんのめり込んでゆく結果となる。

我らがヤンキース優勝 このアマチュアリーグは春のシーズン20試合、秋のシーズン10試合、年間計30試合の他、各シーズン、上位チームによるプレイオフが行われる。我々のチームは発足2年目の1998年秋のシーズン、快進撃を続け9勝1敗でシーズンを終えプレイオフも制し優勝してしまった。何とわが家にはその時もらった自分の名前入りの優勝トロフィーが燦然と輝いている。優勝経験なんて人生の中で初めてのことだっただけにその喜びもひとしおだった。こうなると益々止められなくなるものだ。というわけで今は来年の春が待ち遠しくて仕方がない。
 野球の本場アメリカでプレーする。大リーガーでなくとも気分は野茂やイチローと同じなのである。(12/10/00)


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