わが家の改装工事

 この夏、わが家のキッチンのリノベーションをした。このコンドミニアムに入居したのが9年前。今回を含めて3度の大きな作業をしたことになる。一度目は入居時に部屋の壁と天井のペンキ塗りをした。その時使ったペンキが1缶残っていたのだがそれを今回のリノベーションにも使ったのである。しっかりと蓋をしてあれば9年経っても使えるもんだ。この最初のペンキ塗りは何の家具もないときにやったので楽であった。今では物も増えてしまったので、大変な作業になるだろう。

 二度目はリビングルームの床のニスを塗り直したことである。これは大変であった。最初は床の色が暗く、所々はげたような所もあるので塗り直そうという軽い気持ちで始めたのである。ところが、ニスを剥がすということが大変なのである。昔、友人が床のニスをやすりで剥ぎ取る専用の機械を業者から借りてやったという話を聞いていたので、それを借りることにした。やり方を説明するビデオも貸してくれたので、まずはこれを見て勉強する。機械の底にでっかいサンドペーパーを貼付け床を削るのだが物凄い埃が出るのである。家中埃だらけ。相当な量の埃を掃除した。これだけでも充分大変だった。その後もっと大変なことが待ち受けていた。丈夫で長持ちするようにと思って買ってきたニスは油性のものであった。これを塗り始めたところ揮発性の強力な匂いが立ち込めたのである。途端に隣近所から苦情の嵐が始まった。入れ替わり立ち替わりいろんな人が文句を言いにやって来るのだ。「臭くて死にそうだ」とか言ってくるのであるが、我々はそれ以上にシンナー中毒で死にそうな状態にあるのだ。窓を開けたり、廊下に匂いが漏れないようにドアにシールをしたりするのだがあまり効果はない。何月だか忘れたが寒い時期だった。にもかかわらず窓を開け放し、臭気を外へ逃がすよう努力する。苦情と、寒さと、シンナー臭に耐え、やっとのことで床の塗り替えは完成した。

 そして今回のキッチンである。天井や壁にペンキを塗り、食器棚もカラフルな色に塗り替えた。床のタイルを張り替え、新しいガスレンジも購入した。このコンドミニアムが建てられて約25年、建設当時のオリジナルのままで使われていたわが家のキッチンはかなり薄汚れたものになっていた。以前より改装したいという気持ちはあったのだが中々手を付けられないでいたのをこの夏ついに着手したのだ。やり始めると色々と道具や資材が必要になってくるもので、度々工事は中断し結構時間がかかってしまった。他に特に束縛もなかったのでのんびりと作業を続け約三週間の後、わが家のキッチンは見事に生まれ変わっ
た。

 アメリカでは多くの人が家の修理、改装などを自分でやる。テレビを見ているとその類いの番組が多くあり、これが見ていて意外に楽しい。見る見る出来上がっていき、いかにも簡単そうにやってのけるので自分でも出来そうな気がしてくるものだ。自分でやれば安く上げることができるので、腕に自信があれば自分でやるにこしたことはない。業者に頼むと労賃が高くつき、その割りには出来が悪かったりする。はっきり言って大方の大工の仕事は雑である。それならば自分でやってしまえというわけだ。
 どこかにボロ家でも買って、何年もかけてこつこつと修繕するなんていうのも楽しいかもしれない。(9/1/00)


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